人気作家・冲方丁、二次創作を「冲方塾」で許可!エロやBL改編もOK!
作家の冲方丁が6日、自身の著作「マルドゥック・スクランブル」「天地明察」「もらい泣き」の二次創作の権利を「冲方塾」限定で解禁することを発表した。表参道ヒルズで開催中の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA 2015)内のイベントで明らかになった。
今回、発足した「冲方塾」は、冲方が提供する3作品を原作とした、小説、コミックなどの二次創作作品を募集する新人発掘プロジェクト。この日は「小説部門」「コミック部門」が設置されることが発表された。
応募資格はプロアマ問わず。「小説部門」は1万字以内、「コミック部門」は未完成でも可という比較的低めのハードルが設定されている。「権利関係の処理は非常に複雑だった。いろいろな人に相談したら、パンドラの箱を開いてしまったようで、調整が大変だった」と切り出した冲方は、「ようやくここまでこぎつけました。面白ければ、時代もの、SFもの、BL、エロと、どういう形に改編してもらっても構いません」と晴れやかな顔で報告した。
また、2011年にとあるマンガ大賞の特別大賞を獲得したものの、後になって冲方の小説「マルドゥック・スクランブル“104”」にいくつかの類似点があると指摘され、作者自身もそれを認めたという某コミック作品について冲方が言及するひと幕も。「あの作品も応募していいんじゃないですかね。あれだけ描く努力ができるやつなら、1回は怒るけど、それ以上は怒らないから応募したらいいと思う」とぶちまけた。
さらにこの「冲方塾」は、SSFF & ASIAが展開する企画「ブックショート」とのコラボも決定。「ブックショート」は、二次創作をテーマに短編小説を公募し、大賞作品をショートフィルム化やラジオ番組化するプロジェクトとなる。「これはある種、冲方さんとの電撃結婚みたいなもの。冲方さんにお会いして、フォーリンラブでした」と同席していた映画祭代表の別所哲也が切り出すと、冲方も「別所さんから素晴らしいお話を聞かせてもらってメロメロでしたよ。この映画祭もいろんな障害を乗り越えてここまでやってきたもの。何もかもが素晴らしくて、今は追い越せじゃない。追いつけ、追いつけですよ」とすっかり心酔している様子。別所も「この結婚は大きくなるね」と今後の展開に期待を寄せているようだった。(取材・文:壬生智裕)
「冲方塾」の詳細は公式HP(http://www.ubukata-juku.jp/)にて