子供の頃ゾンビ映画で一目ぼれした女優に主演をオファー!SXSWで話題のホラー映画とは?
今年のサウスバイサウスウェスト(SXSW)で上映された話題のホラー映画『ウィー・アー・スティル・ヒア(原題) / We Are Still Here』について、テッド・ゲイガン監督が語った。
息子を交通事故で失った老夫婦のポール(アンドリュー・センセニッグ)とアン(バーバラ・クランプトン)は、ニューイングランドの平穏な田舎町の家に引っ越してくるが、その家には30年ごとにおぞましい事件が起きていることが判明し、夫婦のもとを訪ねてきたカップル、メイ(リサ・マリー)とジェイコブ(ラリー・フェセンデン)にも突如異変が起きるというストーリーの本作。
今作のコンセプトについて「脚本家兼監督の友人リチャード・グリフィンが、1980年代のイタリアのルチオ・フルチ監督が手掛けたホラー映画『墓地裏の家』に影響を受けた映画を製作したいと持ち掛けてきた。僕が彼のアイデアを脚本にし、リチャードが監督予定だったが、僕はあまりに自分の脚本を気に入って、彼を説得して監督したいと伝えた。すると彼も『予算が集められるなら、君が監督すべきだ』と言ってくれたんだ」と初監督への経緯も語った。
ジェイコブ役のラリーはアメリカの独立系ホラー映画界では有名で、数多くの製作に携わってきたが、今作は製作していないことについて「今作は映画『ホドロフスキーのDUNE』『ザ・スリル』を手掛けたスノーフォート・ピクチャーズと、ダークスカイ・フィルムズが共同制作した。だからラリーの制作会社グラス・アイ・ピックスとは関わらなかった。僕は今作の脚本を執筆中に、ジェイコブ役はラリーと決めていたんだ。僕はラリーを監督兼製作者として尊敬しているが、出演者としては(出演時間が短いため)彼には不十分な気がしていて、今作ではしっかりとした役を与えたかった」と説明した。
主演バーバラについて「僕が映画『サプライズ』の広報をしていたときに知り合い、その後親友になった。そのため、バーバラを思い浮かべて脚本を書いていた。彼女に出演オファーした際に、僕は彼女が出演した80年代の実験的なホラー映画『ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり』『フロム・ビヨンド』を7、8歳の頃に観て、彼女に一目ぼれしたと伝えたんだ(笑)。でも今作では、これまでと違う地味な役を演じてくれたよ」と語った。
映画は、過去を隠そうとする街の人々と真相を暴こうとする老夫婦の駆け引きが、ホラーと交錯しながら描かれている作品。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)