イライジャ・ウッド、エネルギーが飛び跳ねてくる脚本に「ノー」と言えず!詩人ディラン・トマスに心酔する役に
映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのイライジャ・ウッドが、新作『セット・ファイヤー・トゥ・ザ・スターズ(原題) / Set Fire to the Stars』について語った。
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本作は、ウェールズの天才詩人ディラン・トマス(ケリン・ジョーンズ)に心酔するアメリカの詩人ジョン・マルコム・ブリニン(イライジャ)が、ディランをアメリカに招いて文壇に紹介しようとするが、ディランの過度の飲酒がたびたび問題を引き起こし、徐々にお互いの関係が不安定になっていくさまを描いたもの。テレビドラマ「ダウントン・アビー」のアンディ・ゴダードがメガホンを取った。
出演経緯について「脚本を読んだとき、ページ上からエネルギーが飛び跳ねてくるような感覚を受け、『ノー』と言えない作品だと思った。そして3日後には、アンディとL.A.で会っていた。その際にアンディは、モノクロで撮影するなどの詳細を明かしてくれて、その後主演のケリンとSkypeで話して、すぐに一緒に映画を製作したいという気になった」と答えた。良い脚本と製作陣に惹(ひ)かれたようだ。
詩人ディラン・トマスについて「彼が文学界で有名な詩人であることぐらいは理解していたけれど、正直、全くというほど知識が無かったため、この脚本とリサーチを通してさまざまなことを知った。彼については記された多くの書物から、型破りな人物であることがわかった。一方、僕が演じたジョンはプライベートな人物で、彼について記された書物は発見できなかった。けれども、逆に情報がなかったことで自由に想像しながら演じることができた」と明かした。
ディランもジョンも実在した人物だが、どの程度真実なのか。「ニューヨークでの滞在がディランを肺炎で死なせたことは事実だ。もっとも、あれはディラン自身による過度の飲酒のせいだとも考えられる。彼の過度な飲酒を危険と感じて、ジョンがニューヨークからコネティカット州のニューヘイブンの湖近くの家にディランを連れて行ったことや、短編『くじ』を執筆したシャーリイ・ジャクスンとその夫スタンリーがジョンの家を訪れ、ボクシングの試合を観ながら、過去の話を共有したのも事実だ」と語った。会話の内容は想像で描いているが、出来事は事実を基につづられている。
映画は、モノクロの世界観で詩を読み上げるディランを演じるケリン・ジョーンズの演技が圧巻で、ディランを支えようとするジョンとの関係も興味深い。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)