鈴木P、“ジブリはゲーム嫌い説”を訂正「よくわからないだけ」
バンダイナムコエンターテインメントが25日、同社の人気ゲーム「太鼓の達人」15周年を記念した新事業展開の記者会見を行い、スタジオジブリとコラボレーションしたショートアニメーションを制作したことを発表した。この日、登壇したジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、「ジブリはよくゲームが嫌いと言われるが、正確には、よくわからないだけ」とコメント。「こういう企画は縁のもの。今回は古くからの腐れ縁があって協力することにした」と鈴木節をさく烈させた。
初お披露目となったスタジオジブリ制作のショートアニメは、『魔女の宅急便』『崖の上のポニョ』などの作画監督だった近藤勝也による渾身(こんしん)の一作。筆による温かみのあるタッチで、生き生きとした世界観が表現されており、鈴木考案の、ねずみのオリジナルキャラクターも登場する。
この日は、バンダイナムコ常務取締役・浅沼誠氏、「太鼓の達人」総合プロデューサーの中館賢氏、アニメコンソーシアムジャパン代表取締役社長・鵜之澤伸氏も登壇。そもそもジブリが記念アニメーションを作ることになったきっかけを、「腐れ縁」だと語る鈴木は、「鵜之澤さんとは、彼が1981年にバンダイに入社され、僕が徳間書店の編集者だったころからの付き合い。昔、(ゲーム機)『ピピンアットマーク』をタダでもらったのが大きかったな」と冗談交じりに述懐。
そこで鵜之澤氏は、「中館くんから『太鼓の達人』をジブリとやりたい、という話を受けたんですが、ジブリはゲームが嫌い、というのは有名な話。ただ、僕と鈴木さんの付き合いなら門前払いはないだろうとお願いしに行ったら、『脅迫するのか!』 と言われた」と応酬。これに対して鈴木は、「よくジブリはゲームが嫌いっていわれるけど、正確にいうと、よくわからないだけなんですね。僕も宮崎駿も将棋は好きだけど、デジタルゲームの何が面白いのかわからない」とぶっちゃけ、MCを慌てさせる一幕もあった。
同社では、2016年2月に「太鼓の達人」シリーズが15周年を迎えることを記念して、スタジオジブリとの記念アニメーションの制作をはじめ、シリーズ初の世界大会の開催、人気グループEXILEのMAKIDAI、関口メンディーをタイアップアーティストに起用したCM・キャンペーンなどを展開。国民的音楽ゲームから世界的音楽ゲームへのさらなる進化を目指す。この日は、MAKIDAI、関口メンディーによるビデオメッセージも上映された。(取材:坂田正樹)