『アベンジャーズ』が挑む新たな試練とは?ジョス・ウェドン監督インタビュー
マーベルコミックスの人気ヒーローが集結するアクション巨編『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の監督・脚本を手掛けたジョス・ウェドンが、同作について語った。
本作では、アイアンマンことトニー・スタークが平和維持のため開発した人工知能ウルトロンが、人類こそ平和を脅かす存在であると認識。その脅威から世界を守るため、最強のチーム「アベンジャーズ」が決死の戦いに挑む。「アベンジャーズのメンバーはそれぞれが偉大な力を持っていて、脅威に対して大きなアドバンテージを持っているんです」というウェドン監督は、本作で彼らに、いかに人々の犠牲を最小に抑えるのかという、道徳的な試練を課したと語る。
その言葉の通り、特にクライマックスでは、市民を巻き込んだ迫力のバトルが展開。まるで戦争映画のようなリアティーあふれる描写には圧倒されるばかりだ。「わたしの作品は、常に戦争映画と西部劇に影響を受けています。どちらもコミュニティーを守るために犠牲を払う人々が描かれていて、本作でも、戦いそのものだけでなく、それに伴う犠牲に焦点を当てたかったんです」。
劇中では、アベンジャーズたちの葛藤も描かれる。ウェドン監督は、中でも、弓の名手ホークアイの温かな家庭を目したメンバーたちが、自分たちがどれだけ普通の生活からかけ離れてしまったのかを悟るシーンは特に重要だと語る。「わたしにとってヒーローとは、勝つことよりも何のために戦っているのかを優先する人物。不可能な出来事に直面したとき、命を懸けてそれに立ち向かうことができる存在というのかな。そして今回アベンジャーズたちは、そんな自分たちの持つヒーローとしての定義を考え直さなくてはならなくなるんです」。
アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクといったおなじみのメンバーに加え、悪役のウルトロンやスカーレット・ウィッチ、クイック・シルバーといった新キャラクターの感情が交差する物語も魅力の本作。「キャラクター作りというのは、実に簡単で楽しい作業。1日中やっていられますね」というウェドン監督は、「ただそこから物語を作るというのは、そのアイデアを数学のように計算して一本に仕立てること。なので正直大変で、面白い作業とは言えなかったですね」と笑みを浮かべた。(編集部・入倉功一)
映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は7月4日より全国公開