バットマンの人気キャラ、ゴードン刑事も若かった!青年期描くドラマが話題
映画『ダークナイト』にも登場する都市、ゴッサム・シティを舞台とした海外ドラマ「GOTHAM/ゴッサム」が話題になっている。本作では、バットマンの心強い味方としてアメコミファンならずとも知る名物キャラ、ジェームズ・ゴードンがゴッサム市警に配属されたばかりの、若き日々の活躍を見ることができるのだ。
映画版の『バットマン』シリーズでは市警本部長として自ら警官隊を率いる貫禄たっぷりのゴードンをパット・ヒングルが、『ダークナイト』3部作では厳しさの中にも優しさを垣間見ることができる実直なベテラン刑事のゴードンをゲイリー・オールドマンが演じ、従来は渋めな中年男性というイメージが強かった。本作はそんな彼の原点を描くことでバットマン伝説に新たな光を当てる。
戦場の英雄として鳴らした元軍人のゴードンは、地区検事長だった亡き父の背中を追い、弱者を守るために刑事となった熱血漢。そんな彼が汚職まみれの腐敗した警察組織、そして政治権力とマフィアが裏で結託したゴッサム・シティを浄化すべく、数々の凶悪犯罪に体当たりで挑んでいく。
両親を殺されたブルース・ウェイン少年に犯人逮捕を約束する誠実さと優しさ、ギャングのボスの機嫌を損ねて捕まる要領の悪さ、妥協策に走りがちな上司や相棒に食って掛かる無鉄砲さなど、見ていてハラハラさせられる彼の言動は、理想主義の若者らしい清廉さの表れ。シニカルなダークヒーローがもてはやされる昨今、彼のような王道的ヒーロー像は逆に新鮮であり大きな魅力だ。
そのゴードン役を人間味たっぷりに演じているのがベン・マッケンジー。青春ドラマ「The OC」で貧しい家庭に生まれた複雑な少年ライアンを演じて一躍脚光を浴び、刑事ドラマ「サウスランド」では苦悩を抱えた若手警官ベンを演じて好評を博した。次世代のラッセル・クロウとも呼ばれる彼の朴訥(ぼくとつ)とした男らしい個性は、正義感が強く不器用な青年ゴードンそのものであり、彼なくしてこのキャラクターは成立しなかっただろう。
全米では第1話の視聴者数が1,200万人を突破し、当初16話の予定だったエピソード数が放送開始後に22話に拡大した本作。2015年9月からはセカンド・シーズンの全米放送も決定している。若さゆえに迷いながらも成長していくゴードン刑事の活躍から目が離せない。(文・なかざわひでゆき)
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