名作ホラー監督の墓から頭部が盗まれる…オカルト的な動機か
ホラー映画の名作『吸血鬼ノスフェラトゥ』の監督、故F・W・ムルナウさんの墓から頭部が盗まれたとVarietyや複数のメディアが報じた。
事件が起きたのは、ドイツのベルリンから南西に向かったシュターンスドルフ。墓泥棒は、ムルナウ一族の墓所からムルナウさんの金属の棺を開け、頭部を盗んだもよう。墓の近くからワックスの残留が発見され、キャンドルがともされていたため、オカルト的な動機があるのではないかと予想されている。もっとも、隣接する兄弟の墓は荒らされていなかった。
ムルナウさんは、1888年にドイツ帝国ビーレフェルトで生まれ、大学時代に演劇の世界に入り、第1次世界大戦ではパイロットとして従軍。終戦後に『カサブランカ』のコンラート・ファイトと映画スタジオを設立し監督デビューを果たす。プラーナ・フィルム社の下、『吸血鬼ノスフェラトゥ』を製作し、フリッツ・ラングらと共にドイツ表現主義映画を代表する監督になった。その後、ムルナウさんは渡米し、『サンライズ』で複数のアカデミー賞を獲得した。だが、42歳の時にカリフォルニアで交通事故によって亡くなっている。
これまで、チャールズ・チャップリンの棺が持ち出される事件があったが、その時は金銭目的だった。今度の事件は果たして何が目的なのだろうか?(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)