ピース又吉の芥川賞受賞を、相方・綾部、桂文枝ら芸人たちが祝福
第153回芥川賞を受賞した、お笑いコンビ・ピース又吉直樹の処女小説「火花」(文藝春秋刊)の累計発行部数が100万部を突破。受賞に際し、相方の綾部裕二をはじめ大物落語家の桂文枝ら芸人たちから続々祝福の言葉が寄せられている。
「文學界」2月号掲載時から話題となり異例の増刷がかけられるなど反響を呼んだ本作は、売れない芸人の主人公と、同じく売れない先輩芸人との運命的な出会い、別れをつづった作品で、又吉の自伝的要素を含んでいるという。惜しくも第28回三島由紀夫賞では受賞を逃しながらも、第153回芥川賞では見事受賞。選考委員の山田詠美は「どうしても書かざるを得ない切実なものが迫ってくる。主人公と先輩とのまさに火花がよく書けていた」と評している。
受賞に際し、又吉が所属するよしもとの芸人からも祝福のコメントが続々。かねてからイベントなどで又吉の作家としての活躍に対し、「すごいことになったなと思いましたよ。又吉がそっちの方向に行くのが怖いですね。今は9割方、小説家として存在しているから」と冗談交じりの発言をしていた相方の綾部は「大先生、芥川賞おめでとうございます。これで本格的にアシスタントになる覚悟ができました」とやや自嘲気味に祝福。
パンサーの向井慧は「又吉さんと出会って8年程、僕の中で又吉さんは、尊敬する先輩でありながら、友達のような感覚もあり、最近ではお父さんというよりもお母さんのような存在です。あまりに距離が近すぎて忘れそうになりますが、改めて凄い人だったんだと思い出させていただきました」とコメント。落語家の桂文枝は「『火花』を読んで感動しました。本当によかったです。誕生日もさることながら、又吉くんの受賞も嬉しく思います。素晴らしい才能をお持ちだと思います」と著書への感想を述べつつ、「私も創作落語を250作以上作りましたが、又吉くんは才能にあふれています。漫才師でこんなに文才がある人はよしもと100年の歴史でも初めてではないかと思います」と芸人のみならず作家としての才能も開花させた又吉を絶賛している。(編集部・石井百合子)
「火花」(著者:又吉直樹/価格:1,200円+税)は文藝春秋より発売中