女子中学生たちと“トイレ映画”作り!“凶悪”のイメージを払拭したい白石和彌監督
映画『凶悪』の白石和彌監督が19日、都内で行われた、映画『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』完成披露試写会記者会見に、主演を務めたドラマーのみさこ(「神聖かまってちゃん」「バンドじゃないもん!」)や13人の女子中学生役のキャストと共に出席。実際に起きた凶悪殺人事件を基にした映画『凶悪』で、2014年度の賞レースを独走した白石監督は、自身のイメージまでもが「凶悪」になってしまったことを嘆きつつ、リアル女子中学生たちと作り上げた青春ドラマの本作を披露すると、「こういうこともできるんだぞ」と力強くアピールした。
『凶悪』の白石和彌監督、“凶悪”イメージの払拭を目論み 画像ギャラリー
本作はGYAO!にて無料配信された、トイレを舞台に繰り広げられる、女子中学生のリアルな姿を凝縮したソリッドシチュエーション・ガールズドラマの劇場版。女子中学生たちの教室では出せない素顔と本性がすべて出る、狭いけど奥が深いトイレ。そんなトイレで清掃員・れんげ(みさこ)が見た、彼女たちの秘密の数々と、ある事件をきっかけにトイレの中で文化祭を目指すことになる彼女たちの奮闘ぶりを描く。
白石監督は、「『凶悪』には、ほぼ男しか出てこなくて、撮影中は毎日のように誰かを殺していたから、それを監督した白石も凶悪だと言われてきた」と愚痴をこぼすと、「そんなことないよ! と証明するためには中学生と作品を作るしかない」と本作に携わることになった経緯を冗談交じりに説明。しかし、真摯に撮影に取り組んだ白石監督は、「今、中学生がこんなにたくさん出る作品はほぼ皆無。そういう中でみんなが生き生きと楽しんでくれている感じが伝われば、それだけで作品としては満点」と熱い思いを語った。
そんな本作で主演を務めたみさこは、オファーを受けた時は「私で大丈夫かな?」と心配しつつも、「掃除のおばさんというのは自分の人生にあってもおかしくない」と思ったとか。そして、当て書きされた脚本により「自然体で臨ませてもらったので楽に演じられました」とにっこり。劇中、ドラムを叩くシーンもあり、「ステージに立ったら、こんな私でも輝けるんだという気持ちは持っているので、ドラムのシーンは自信を持って叩きました」と胸を張った。
この日は、生徒役の蒼波純、久間田琳加、吉田凜音、鈴木まはな、甘南備由香、森本奈々、森本寧々、西本まりん、斉藤ナディア、花形光音、行場桃花、島野結雨、吉崎莉愛、劇中イラストを担当したイラストレーター・水野しずも出席。キャスト陣はガールズコレクション風にランウェイをウォーキング、水野はライブペインティングで会場を盛り上げた。(取材・文:鶴見菜美子)
映画『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。前編:入る? 後編:出る!』は8月下旬公開予定