似顔絵も仕事のうち!?『インサイド・ヘッド』共同監督が語るピクサーの映画作り
映画『インサイド・ヘッド』で共同監督を務め、一から作品に関わってきたロニー・デル・カルメンがピート・ドクター監督との映画作りを振り返った。カルメン監督いわく、二人の作品作りは「脚本から始めるのではなく、お互いにストーリーを語り合い、映画の中にどんなキャラクターやどんなストーリーを入れたいかを見つける」ところから始まったという。
【写真】ピクサーの人たちによる似顔絵&ロニー・デル・カルメン監督による『インサイド・ヘッド』キャラクター描き方講座!
もともと、ドクター監督の『カールじいさんの空飛ぶ家』などに絵コンテを手掛けるストーリーボードアーティストとして参加していたカルメン監督。本作で共同監督に起用されたときのことを振り返り、「ピートが映画のストーリーを一緒に考えるように頼んだ最初の人」が自分だったと説明する。また監督と共同監督には立場の違いはほとんどないといい、基本的にストーリーやデザインにおける全ての部分でドクター監督と共に作業を進めていたと語る。
そんな本作の全てを知っているカルメン監督は、ストーリー作りでうまくいかなかったときに取る作業の一つに、「お互いの顔を見つめ合いながらイラストを描く」ことがあると明かす。一つの部屋に集まったストーリー部門の担当者たちが、相手の顔をハンサムに描いてみたり、一部分を強調してみたりして、お互いのことを笑わせようとするという。そのように楽しい時間も共に過ごし、チームの人間への理解を深めることで、「何が最終的に映画に残るかがわかってくる」とのこと。
ドクター監督については、「とても協力的」な人物だと断言。最終的な決定権はドクター監督にあるものの、ほかの人のアイデアを歓迎し、作品には積極的に取り入れているそう。カルメン監督は自分のエピソードも作品に多く使用されていると笑みを浮かべると、ドクター監督のほかの人の意見を聞こうとする姿勢を「最も素晴らしいところです」と称賛していた。(編集部・井本早紀)
映画『インサイド・ヘッド』は全国公開中