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“正当防衛”で丸腰の黒人少年を射殺?英国人監督が撮ったドキュメンタリー

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質疑応答を行ったマーク・シルバー監督
質疑応答を行ったマーク・シルバー監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 第14回イースト・エンド映画祭のクロージング作品としてドキュメンタリー映画『3 1/2ミニッツ、テン・ブレッツ(原題) / 3 1/2 Minutes, 10 Bullets』が上映され、マーク・シルバー監督が質疑応答を行った。アメリカのジョーダン・デイヴィス事件を題材にした本作は、今年のサンダンス映画祭で審査員特別賞を受賞している。

 ロンドンのイースト・エンドで開催されているイースト・エンド映画祭はローカルな映画人のサポートをミッションの一つとして掲げおり、シルバー監督もイギリス人だ。イギリス人がアメリカの事件を撮ったことについて、シルバー監督は「俯瞰的に見ることができたと思います。アメリカの小さな地域で起こった出来事を外国から撮りにきたということで、経験を分け合ってくれようとしているのも感じました」とよそ者ならではのメリットがあったようだ。

 事件は、2012年11月23日、17歳の黒人少年ジョーダン・デイヴィスさんが、45歳の白人男性マイケル・ダンに射殺されたというもの。給油所で、デイヴィスさんが乗った車のラップミュージックの音量についていさかいとなり、ダンが発砲するに至った。デイヴィスさんに向け、ダンが3分半に10発の銃弾を撃ち込んだことからの、映画タイトルとなっている。

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 本作は、裁判の行方を追いながら、事件を明かしていく。正当防衛を訴えるダン側は、事件から警察が捜査に入るまでの時間差を、デイヴィスの車に乗っていた友人グループが車内の武器を始末できた時間と主張する。それを証明する物的証拠がないため、各人の証言の信ぴょう性を判断するしかない。意外な人物がダンの証言を崩すてん末が、法廷劇としても息詰まるものとなっている。

 ダンに有罪判決が下り、人種差別的な性格の濃い事件として記憶されることとなった本件について、シルバー監督は「アメリカには自己防衛権というコンセプトがあり、こういった事件は繰り返し起こり続けている」と語った。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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