ルパンはなぜ愛され続けるのか!?そのワケとは
今や国民的キャラクターと言っても過言ではない「ルパン三世」が誕生したのは今から48年前、1967年のこと。漫画家モンキー・パンチの手によって生み出された彼は、アルセーヌ・ルパンの孫でもある神出鬼没の大泥棒として、殺しもいとわないハードボイルドな世界を舞台に生きていた。
そのキャラクターが変化を遂げたのは、1971年からスタートしたテレビアニメーション。当初は原作のテイストをそのまま生かしたハードボイルドタッチの大人向けアニメとして作られており、今でも高く評価されるほどアクションもストーリー展開も斬新だったが、放映当時は視聴率が振るわず打ち切りにもなりかけた。
そこで新たに演出を任されることになったのが宮崎駿と高畑勲。愛車が高級なメルセデス・ベンツSSKから大衆車であるフィアット500に変更されたことが象徴しているように、ハードボイルドだったルパンは幅広い層に愛されるコミカルで人間くさい、愛すべき大泥棒へと変貌。宮崎監督の長編映画デビュー作でもある『ルパン三世 カリオストロの城』によって、そのキャラクターの人気は不動のものになった。
「ルパン三世」の人気は何もルパン本人だけのものではない。彼を取り巻く仲間たちの存在も忘れてはいけない。早撃ちのすご腕ガンマン・次元大介、石川五右衛門を先祖に持つ剣士の石川五ェ門、敵であり味方である謎の女・峰不二子、そして彼らを追い続ける銭形警部と、それぞれが個性豊かなキャラクターの持ち主。
ルパンを含めた5人のメインキャラクターが新たな強敵、新たな事件に遭遇するという不動のフォーマットがあるからこそ、キャラクターそれぞれのドラマを掘り下げたスピンオフ、さらにはファンも驚きの『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』という異色のコラボ作品まで生み出されることになっていったのだ。小栗旬主演による実写版『ルパン三世』もまたこの5人のキャラクターこそが魅力の作品であったことは記憶に新しい。
今秋には30年ぶりの新シリーズも放映される「ルパン三世」。今後もルパンの活躍からは目を離せそうにない。(文・永野寿彦)
映画『ルパン三世』は8月15日よる9:00よりWOWOWシネマにて放送