リース・ウィザースプーン、イメージを払拭する渾身作とは?
イラストレーターの石川三千花と映画ライターの清藤秀人が22日、六本木の20世紀フォックス映画試写室で行われた『わたしに会うまでの1600キロ』超先行試写会に来場し、その魅力を語った。
絶景と自然の厳しさを味わえる映画『わたしに会うまでの1600キロ』フォトギャラリー
1994年に設立されたインディペンデントのアート系映画専門レーベルである「FOXサーチライト・ピクチャーズ」は、第87回アカデミー賞で『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『グランド・ブダペスト・ホテル』がそれぞれ最多9部門にノミネート、共に最多4部門を受賞するなど、その作品力は折り紙付き。清藤も「むしろオスカーの世界ではインディペンデント系作品の方がメジャー。作家性の強い尊重した作品を多く発表するレーベル」とその魅力を解説した。
この日は「FOXサーチライトファン感謝祭」と題し、超先行スニークプレビュー(覆面上映会)を開催。『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレがメガホンをとった、リース・ウィザースプーン主演の『わたしに会うまでの1600キロ』が先行上映された。
原作は、たった一人で3か月間、1,600キロの山道と砂漠を踏破する無謀な旅に挑んだ作家シェリル・ストレイドのベストセラー小説。原作に魅了されたリースは、プロデューサーとして本作の制作を熱望。身も心もさらけだした迫真の演技を披露し、見事アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。
石川が「これまで優等生的な役が多かったリースも40歳前。(ロマンチックコメディーの女王と称される)メグ・ライアンになっちゃいかんと思ってこの役に飛び込んだんでしょうね」と切り出すと、清藤も「彼女はプロデューサーとして、自分が主演をするために『ゴーン・ガール』の映画化を進めましたが、この作品の主演もあり、『ゴーン・ガール』の主演はロザムンド・パイクに決まったんです」と裏話を明かす。
続けて、「それが結果として両者でアカデミー賞を競いあうことになったわけですから、レベルの高さを感じますよね。私生活ではいろいろあった人ですが、この映画は彼女の人生そのもの。きっと私生活のいろいろをリュックに詰め込んだような映画だったんでしょう」と語る清藤の言葉に、石川も深くうなずいていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『わたしに会うまでの1600キロ』は8月28日よりTOHOシネマズシャンテほかにて全国公開