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二階堂ふみ主演『この国の空』の荒井監督「僕は非国民になる」 込めた思いを主張

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左から工藤夕貴、二階堂ふみ、長谷川博己、荒井晴彦監督
左から工藤夕貴、二階堂ふみ、長谷川博己、荒井晴彦監督

 女優の二階堂ふみが8日、都内で行われた映画『この国の空』の初日舞台あいさつに、共演の長谷川博己工藤夕貴荒井晴彦監督と共に出席した。戦争映画に初めて出演した二階堂は、「この作品を通して、80年、90年、100年と戦争を考え続けていくことがこれからの日本を作っていくためにはとても大事なことだと思いました。また、当時を強く生きた人たちのことも考えていきたい、という思いもより一層強くなりました」と真摯(しんし)に語った。

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 本作は、芥川賞作家・高井有一による同名小説を実写化した人間ドラマ。昭和20年、終戦間近の東京を舞台に、妻子がいる市毛(長谷川)と道ならぬ恋に落ちる19歳の里子(二階堂)を軸に、激しい空襲と飢餓が迫る恐怖の中で生きる人々の姿を丹念に描く。

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 完成した作品について二階堂は、「撮影中、19歳から20歳になったのですが、この映画の中で20歳を迎えることができて幸せでした。とてもいい作品ができたと思っていますので、ご覧になった方は、それぞれの感覚で持ち帰っていただいて、ご家族や大切な人と『生きることは何か』を考えていただければ」と時おり笑顔を見せながら作品をアピールした。

 一方、二階堂演じる里子と不倫関係になる市毛を演じた長谷川は、「里子の目を見ると、『まだ、戦争は終わっていないんだ』と強く感じた」とコメント。また、「僕自身、役者として修業がまだまだ足りないなと痛感した」となぜか反省しきりだったが、工藤は「そうは言うけど、十分いやらしくて悪い人だと思いましたよ!」と独特な表現でその演技を絶賛した。

 30年の構想を経てメガホンを取った荒井監督は、「安倍総理が過激なことをやるから、もっと反戦映画を撮ればよかったかな」とチクリ。また、「この映画を観た方の、『戦争ってもっと悲惨なんじゃないか』『この映画に出てくる人は非国民なんじゃないか』という意見をネットで見ましたが、国が間違ったときは非国民の方が正しいと思います。今、またこの国は間違いそうになっているので、僕は非国民になろうと思います」と本作に込めた思いを主張していた。(取材:坂田正樹)

映画『この国の空』は公開中

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