原発テロを描く『天空の蜂』戦慄の冒頭映像13分を8日間限定公開
映画『天空の蜂』の13分に及ぶ冒頭映像が、劇中で事件が発生する日時と同じ8月8日より8日間限定で公開となった。この映像には全長34メートル、総重量25トン、日本で初めてコンピューターによる自動制御が搭載された最新鋭の自衛隊ヘリという設定の超巨大ヘリ「ビッグB」が、原発を狙ったテロリストに奪われる衝撃的なシーンが映し出されている。
本作は、仕事一筋で家庭を顧みず、妻子との間に溝が広がっていたヘリ設計士の湯原(江口洋介)が原子力機器の設計士・三島(本木雅弘)とともに、「ビッグB」をジャックしたテロリストの脅威に立ち向かう社会派サスペンス。
13分の映像には、湯原の幼い息子が遊びで隠れていた「ビッグB」が、格納庫から飛び立つまでの一部始終が収められている。離陸しようとするヘリにぶらさがり、息子を降ろそうと懸命にもがく湯原のアクションシーンは迫力十分。そして、読み上げられるテロリストの声明……。テロリストが奪ったヘリは高速増殖原型炉の上空でホバリングしており、8時間後には燃料切れで稼働中の原子炉に墜落するという。さらに、ヘリには大量の爆発物が積まれている。テロリストの要求は、「この危機を回避したくば、日本の全原子力発電所を破棄せよ」というものだった。
人気作家・東野圭吾が20年前に書き上げた原作小説は、まるで2011年に起きた東日本大震災とその後の日本を予見するかのような内容。本作には、「何があっても原発は壊れない」という前提の下で対策に立ちすくむ原発の職員たちの姿など、現在の日本への警鐘ともとれるメッセージが色濃く見える。わずか13分で日本全土が危機に陥る恐怖を生々しく描いた映像が、今そこにある危機を物語っている。(編集部・石井百合子)
映画『天空の蜂』は9月12日より全国公開
※動画は8月16日(日)0:00に非公開となります