ウソみたいなホントの話!全米46の美術館を30年間だまし続けた贋作画家の衝撃作が11月公開
全米で20州、46の美術館を30年間だまし続けた贋作画家の素顔を追った衝撃のドキュメンタリー『美術館を手玉にとった男』が、11月に日本公開される。2011年、新聞やテレビなどで報道され、FBIも捜査に乗り出したセンセーショナルな事件の裏側が明かされる。
まさに「事実は小説より奇なり」。全米の多くの美術館で展示されていた著名な作品の数々が、実は、1人の男によってつくられたニセモノだった……! ニューヨークタイムズ紙やフィナンシャルタイムズ紙など、あらゆるメディアを大いに騒がせた珍事件だが、この男は罪に問われなかった。なぜなら、彼は贋作で金をもうけることをせず、「寄贈」していたからだ。
その男の名前はマーク・ランディス。これまで彼が寄贈した贋作は100を超えるという。予告編映像によると、彼は「私は悪いことをしていない」ときっぱり。「オリジナルなんて存在しない。全て元ネタがある。ウォルマートの額に入れれば1億円の作品に見える」「サザビーズ(※世界最古の国際競売会社)は説明するだろうね。黒と赤のチョークと赤の染料を使っていると。でも色鉛筆して使っていない」などと大胆な発言を繰り出す。一体、彼が30年間にわたって無償で贋作をつくり続けた目的は何だったのか?
かつてMoMA(ニューヨーク近代美術館)で勤務していたジェニファー・グラウスマンと、画家として活動していたサム・カルマンという美術界にバックグラウンドを持つ2人の監督が、美術館学芸員やFBI捜査官など事件の関係者の証言を交え、ミステリアスな彼の素顔に迫っていく。(編集部・石井百合子)
映画『美術館を手玉にとった男』は、11月21日よりユーロスペースほか全国順次公開