『サウダーヂ』富田克也監督、新作の資金集めは「怒りのデス・ロード方式」!?大きな目標語る
インディーズ映画としては異例のロングランヒットを記録した『サウダーヂ』の富田克也監督最新作『バンコクナイツ』クランクイン直前イベントが2日、渋谷のライブハウスWWWで行われ、ミュージシャンの菊地成孔、boidの樋口泰人、富田監督らが最新作について語り合った。
『サウダーヂ』のロングランヒットで注目を集めた映像制作集団・空族の最新作のクランクインを控えて行われた本イベント。この日は『サウダーヂ』の爆音上映を中心に、トークショーなどを実施。さらにロビーではイサーン料理のケータリングも出店されており、その香りが来場者の気分を大いに高めていた。
全編タイ・ラオスロケを予定している本作について「10月下旬にクランクインして、11月、12月まで撮影を進めています」と切り出した富田監督は、「怒りのデス・ロード方式」と名付けたクラウドファンディングを立ち上げることを発表。「やはりお客さんも一緒になって盛り上がってもらいたいので、本作クランクインと同時にスタートさせます。同時にいろいろと面白い企画も考えています」と語る富田監督は、目標金額について「マジ!? と言われるような金額に設定して盛り上げたい。最終決定ではないですが、最低でも1,000万円くらいは」とぶちまけて、会場を驚かせた。
さらに本作のテーマを「娼婦・楽園・植民地」と定義する富田監督が「本作に登場するバンコクに出稼ぎに来た女の子が(タイ東北部の貧困地域)イサーンの出身。バンコクの娼婦などはイサーン地方の出身者が多いんです」と切り出すと、菊地も「なぜタイに歓楽街があるかというと、それはベトナム戦争のときに、米兵のためのレスト・アンド・レクリエーション(休暇)という役割を担っていたから」と本作の背景を説明する。
またこの日は、本作の重要なサウンドトラックであり、近年では世界各国のDJが注目するイサーンの音楽“モーラム”についても音源を交えながら解説。富田監督は「イサーンの森はかつてタイの軍事政権と戦っていた抵抗勢力がいたところ。モーラムはまさに抵抗の地から生まれた音楽なんです」と付け加えた。(取材・文:壬生智裕)
映画『バンコクナイツ』は2016年完成予定