マシュー・ブロデリックの新作はあまり進まないロードムービー!?
長年、映画や舞台で活躍してきたマシュー・ブロデリックが、新作『ダーティー・ウイークエンド(原題) / Dirty Weekend』について、アリス・イヴとニール・ラビュート監督と共に語った。
【写真】マシュー・ブロデリック出演『ペントハウス』ギャラリー
ビジネスマンのレス(マシュー)と同僚ナタリー(アリス)はテキサスのダラスに向かうはずが、嵐のためニューメキシコ州アルバカーキ空港で足止めをくらう。すぐに乗り換え便がなかったため、レスは子供のお土産を買うと一人でダウンタウンを散策すると言いだすが、ナタリーはレスに真の理由が別にあることを知り、自らの秘密も告白する。映画『ベティ・サイズモア』のニール・ラビュートが脚本兼監督を務めた。
ニールは今作について「いわゆるロードムービーといえるが、空港からアルバカーキの町を探索するため、あまり長い道を進まないロードムービーなんだ。これまで、僕は男女の恋愛関係などを描いてきたが、今作は決して恋愛関係に陥ることのない同僚2人が、それぞれお互いが問題を抱えながらこのビジネストリップに来ている。そして彼らは、たった1日でお互いのことを多く学び、夜も共に過ごすことになるが、決してロマンチックな関係にならない」と型にはまらない設定であることを語った。
ニールの演出について、アリスは「ニールはわたしたちに心地よいスペースを与えてくれたわ。そのため、わたしが演じたナタリーの発する(同性愛の)性的な言葉にも抵抗なく、自ら進んでいろいろ(発言上のアイデアを)試せたわ。俳優は、そのような設定に恐怖を感じることもあるから、安心感を得られる環境を監督が作ることは大切なの。ニールの脚本は、緊張感のあるせりふが多いため、彼自身もそのことに気付きながら俳優に接していた」と語る通り、日常ではあまり耳にしない会話が出てくるのも魅力だ。
ニールの脚本に惹(ひ)かれたというマシューは「心の底から脚本を楽しんで読むことができた。レスとナタリーは、2人とも秘密を持ってアルバカーキに滞在し、ストーリーが進んでいくうちに秘密が明らかになっていき、彼らの同僚としての関係も変化していく。俳優としてもいろいろ試せたよ」と答えた。過去のマシューのコメディー作品とは異なったキャラクターだそうだ。
映画は、先入観を持ってお互いを見ていた二人が、旅先で自分をさらけ出したことで、真の関係が生まれる設定が面白く描かれている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)