リーアム・ニーソン、不器用っぷりが高倉健!?
リーアム・ニーソン主演の最新映画『ラン・オールナイト』ブルーレイ&DVDの発売に先立ち行われた座談会で、リーアム・ニーソンのファンを自任する4人の映画ライターが、彼の魅力を語り合った。
本作でリーアムが演じるのは、ニューヨークを根城にするマフィア組織の殺し屋ジミー。とはいえ、今は酒で身を持ち崩した飲んだくれの中年オヤジという設定だ。すご腕のヒットマンと不器用なダメ男の二面性を演じ分けるリーアムに、女性ライター陣はキュンとさせられたらしく、「そんなダメなところも母性本能をくすぐる」「捨て犬感がカワイイ」と声をそろえる。強そうな男が見せる弱さに、女性は惹(ひ)き付けられるのだろう。
だが、息子を守るため、親友でもあるボスの息子を殺してしまったジミーは、組織全員を敵に回し、報復の標的となった息子を守るために、地下鉄の駅で戦ったり、マンションの通路からぶら下がったりとニューヨーク中を駆け回る。このアクションを自らこなすのも、リーアムの魅力。アクション俳優としての本領を発揮するリーアムに、男性ライター陣も「男がほれる男性像」だと太鼓判を押す。
もともと『シンドラーのリスト』などの演技派俳優だったものの、近年になってアクション路線へ幅を広げたと一般的に思われがちなリーアムだが、実は若い頃からアクションやシリアス、コメディーなどさまざまなジャンルの映画に出演している。そんな彼の面白さは「俳優を職業として割り切っているところ」であり、しっかりと人間ドラマを演じられるため、「いつでも演技派路線に戻ってこられる」ところが強みであるとの声に誰もが納得。
また、どこか哀愁をたたえたインテリジェントな雰囲気を持つリーアムは、自分の主義や大切なもののために戦う姿がよく似合うことから、「孤高」「不器用」という言葉が代名詞となる高倉健さんに似ているとの意見も飛び出す。そして、ただ強いというだけではなく、年齢を重ねた俳優でないと演じられないヒーロー像を体現しており、だからこそ「スタローンやシュワちゃんのようなアクション一筋の俳優とは違った魅力がある」との結論に一同大きくうなずいた。(文・なかざわひでゆき)
映画『ラン・オールナイト』ブルーレイ&DVDセット(税抜き:3,790円)は発売中、レンタル中、デジタルセル配信中