マイケル・ケイン、レイチェル・ワイズへの場違いな『007』質問に代わりに回答
第40回トロント国際映画祭
マイケル・ケインがレイチェル・ワイズら共演者と共に現地時間12日、第40回トロント国際映画祭で行われた映画『ユース(原題) / Youth』の北米プレミアに出席。上映後の観客とのQ&Aでのっけからレイチェルに、夫であるダニエル・クレイグ主演作『007』シリーズに関する質問が飛ぶと、代わりに珍妙に答えてみせて会場を爆笑させた。
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レイチェルが「とてもスイートな質問だけど、今夜はパオロ(・ソレンティーノ監督)の『ユース(原題)』のプレミアなの。だから答えは全てイエス、イエス、イエスよ」と丁寧にいなすとその対応に観客は拍手喝采。司会者は次の質問に移ろうとしたものの、さらにマイケルが「質問が理解できなかった。何て言ったの?」と蒸し返し、「わたしはジェームズ・ボンド映画に出演したことはない。聞く相手を間違えていると思う。ショーン・コネリーは素晴らしいボンドだ。彼とは火曜日にディナーをする予定だから、君の関心を伝えておくよ」と続けて笑いをさらった。
本作は、『グレート・ビューティー/追憶のローマ』で第86回アカデミー賞外国語映画賞に輝いたソレンティーノ監督が、アルプスのふもとの優美なホテルを舞台に、引退した指揮者のフレッド(マイケル)と現役の映画監督ミック(ハーヴェイ・カイテル)という80歳を間近に控えた友人同士、そして同所に滞在するさまざまな人々の姿をおかしくも温かく映し出したドラマ。
マイケルは本作に主演することを決めた経緯を聞かれると、「一般的に82歳の俳優が主役を演じられる映画は多くない。1年前にわたしは引退したが、働くのをやめることを忘れてしまった」とジョークを飛ばす。「本作については『パオロ・ソレンティーノがあなたに出演してほしがっている』と脚本が送られてきた。脚本を送ってもらうには及ばなかった。なぜなら絶対やるから! 彼の映画をたくさん観ていて、素晴らしいと思っていた」「オファーが来るなんて全く予期していなかった。彼は別の、天才の世界に居る人だから」とソレンティーノ監督の才能にぞっこんの様子だった。
自身が演じたキャラクターとの共通点については「何もない」と即答し、観客を沸かせたマイケル。「いつでも本当の自分から遠く遠く離れたものを見せようとしてきた。俳優としての自分を試すためにね。だからわたしの要素は何もない」とその理由を明かすと、「でもハーヴェイとの友情は本物だよ」とハーヴェイの方をちらり。ハーヴェイは「マイケルは元イギリス軍所属で、僕は元アメリカ海兵隊。それがリアルな絆になっていると思う」と二人の共通点を挙げて応じていた。
この日はマイケル、ハーヴェイ、レイチェル、ソレンティーノ監督に加え、ポール・ダノ、ジェーン・フォンダら豪華メンバーが集った。(編集部・市川遥)
第40回トロント国際映画祭は現地時間20日まで開催