『アイアン・ジャイアント』2シーン追加の新バージョンがお披露目!ブラッド・バード監督が解説!
第40回トロント国際映画祭
現地時間13日、第40回トロント国際映画祭で『Mr.インクレディブル』や『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』で知られるブラッド・バード監督の不朽の名アニメーション映画の新バージョン『ジ・アイアン・ジャイアント:シグニチャー・エディション(原題)/ The Iron Giant: Signature Edition』のワールドプレミア上映が行われ、新たに追加された2シーンが明らかになった。『アイアン・ジャイアント』(1999)は、1957年のアメリカの小さな町を舞台に、少年ホーガースと宇宙からやって来た巨大ロボットのアイアン・ジャイアントの友情を描いた感動作。
司会者の紹介を受けて登壇したバード監督は「先ほどの親切な紹介ではこの映画がとても(興行的に)成功したように聞こえたが、実際は違う(笑)。その理由の一つは本作が普通じゃなかったこと。だから人々は少し混乱したのだと思う。日本のアニメを吹き替えしたものだと思った人も居たんだ」と当時を回顧。「しかし幸運にも世に残ってくれて、ワーナー・ブラザースが、再びこの映画に関わり、僕が直したいと思っていたものを直して(笑)、二つの新たなシーンを追加する機会をくれた。この映画を再び映画館で上映できるのはとてもうれしい」とあいさつした。
今回の「シグニチャー・エディション」で追加されたのは、鹿が撃たれた夜にジャイアントが見る夢のシーンと、ホーガースの母であるアニーとスクラップ場のオーナーで芸術家のディーンの会話シーン。この二つのシーンについてバード監督は「ストーリーボードを作って音は録音していたのだが、当時は予算と時間が限られていて、『このシーンはなくても大丈夫』と言わなくてはならなかった。実際になくても大丈夫だったが、個人的に好きなシーンだ。ささいだけど新たな疑問を生み、ディーンとアニーの関係を前進させるシーン」と解説する。
特にジャイアントがディーンのスクラップ場で見る夢のシーンは、ディーンの部屋のテレビ画面とリンクさせながら、ジャイアントの過去、そしてかつて武器として存在した姿を不安を駆り立てるような色使い&場面の切り替えで見せる素晴らしいシーン。「シグニチャー・エディション」にはオリジナル版に関わったスタッフも参加したといい、バード監督は「二つのシーンがオリジナル版になじんでいて、どこが追加したシーンかわからないことをうれしく思う」とその出来に満足げだった。(編集部・市川遥)
第40回トロント国際映画祭は現地時間20日まで開催