チャリンコ『マッドマックス』は80年代へのラブレター!『ターボキッド』に監督が詰め込んだ映画愛!
野蛮人たちが自転車(チャリンコ)で荒野を駆ける終末世界を舞台に、愛する女の子のために立ち上がる少年の活躍を描いた映画『ターボキッド』。電子音を駆使したサウンドトラックなど、全編にわたって懐かしの1980年代テイストが漂う本作に込めた思いを、カナダ人女性監督アヌーク・ウィッセルが語った。
愛車のBMXを駆って荒野に生きる少年キッドが、極悪首領ゼウスに拉致された愛する少女アップルを救うため、壮絶なバトルを繰り広げる本作。自ら「極端でクレイジーな映画制作が行われていた」と語る1980年代に子供時代を過ごしたウィッセル監督が、共同監督のフランソワ・シマール、ヨアン=カール・ウィッセルと共に、『マッドマックス2』『レポマン』『ネバーエンディング・ストーリー』『グーニーズ』といった作品たちへのノスタルジーに突き動かされるように作り上げた。
「当時の映画にはとにかくハートがぶち込まれていて、物語、キャラクター、特殊効果、どれをとっても、CGばかりの今の映画には見られない素晴らしいものばかりだったわ」と振り返るウィッセル監督。『ターボキッド』制作の経緯についても「前から終末ものの映画をやってみたいと思っていたの。そこで、BMXに乗った『マッドマックス』というコンセプトを基に、愛する80年代映画への究極のラブレターを創り上げようと決めたのよ」と明かす。
ちなみに、敵も味方も全員がチャリに乗っているというアイデアについては、「オイルが枯渇した世界を自転車で移動するって、とても理にかなっているでしょう」とのこと。「もちろん、わたしたちが観て育った(BMXがテーマのアクション映画)『BMXアドベンチャー』や『BMXサイクル・キッド』へのオマージュも込めているわ。それに予算的にもぴったりだったし!」。
また、『子連れ狼』に影響を受けた敵役が登場するなど、「日本のポップカルチャーからも大きな影響を受けている」という本作。そのため、「映画が日本公開されることに興奮しているの!」というウィッセル監督は、「『ターボキッド』が成功したらぜひ続編にも取り掛かりたい!」と展望を明かしながら、「いつか日本にも行ってみたいわ。そのときが来るまで皆さん、映画を爆裂して楽しんで! We love you!」と呼び掛けた。(編集部・入倉功一)
映画『ターボキッド』10月3日から10月9日までシネマート新宿、シネマート心斎橋にて公開