『ハングオーバー』シリーズのケン・チョン 米ABCでの主演は「途方もない夢がかなってしまったようなもの」
映画『ハングオーバー』シリーズで世界中の注目を浴びたアジア系アメリカ人俳優ケン・チョンが、主演を務める話題のテレビコメディー番組「ドクター・ケン(原題) / Dr. Ken」について語った。
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本作は、医師としての仕事、セラピストの妻との結婚生活、さらに子育てをやりくりしようとするドクター・ケンが、どれも中途半端になっていくさまを面白おかしく描いたもの。ニューオーリンズのメディカルセンターで、実際に医師として働いていたケン・チョンの人生にヒントを得て手掛けられた。
本作の企画について「テレビシリーズ『コミ・カレ!!』などに出演してきたが、企画段階から関わったのは、この番組が初めてだ。お金目当てでなく、好きでやっている仕事だね。僕はこの番組で製作、主演、そして脚本の執筆(クレジットはされていない)の手助けをしたが、どんな形であれ、視聴者に観てもらえることはうれしい。しかも3大ネットワークの一つ、ABCで放映されるなんて、途方もない夢がかなってしまったようなものだ」と誇らしげに語った通り、アジア系アメリカ人が3大ネットワークの番組で主演を張ることは大変なことだ。
すでに医者として活躍していたときに、なぜスタンドアップ・コメディアンになったのか。「今から11、12年前に、ほとんど趣味的な感覚でスタンドアップ・コメディアンを始めた。そのときも医者として十分な稼ぎはあったから、スタンドアップ・コメディアンをやれるだけで楽しかった。その後、即興コメディーをやるライブに参加し、そのときに当時トップに君臨していたコメディアンにたくさん会えたのが良かった」と振り返った。その経験が彼をコメディアンとして成長させたようだ。
本作は、アジア系アメリカ人のケン・チョンにとって、特別な意味合いを持つ番組のようだ。「もし観客がこの番組を(アジア系アメリカ人としての)パーソナルな観点で鑑賞していなくても、笑って楽しんでもらえればいい。ただこの番組では、アジア系アメリカ人の第2世代の家族が描かれ、白人の観点ではなく、アジア系アメリカ人の世界観で、どういう風に人と話しているかもわかるんだ。そんなアジア系アメリカ人との文化の違いをコメディー番組として描くことで、(アジア系アメリカ人のテレビ番組を)標準化していきたい」と意気込みを語った。
同番組は10月2日から全米放送されている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)