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クリストファー・ドイルの“ロック”な会見に釜山熱狂!ほろ酔いでシャウト

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ビールを片手にリラックスモードで釜山に登壇したクリストファー・ドイル
ビールを片手にリラックスモードで釜山に登壇したクリストファー・ドイル

 第20回釜山国際映画祭で4日、1990年代から香港の映画人と撮影監督として幻想的な映像を手掛けてきたオーストラリア出身のクリストファー・ドイルが監督した『ホンコントリロジー:プリスクールド・プリオキュパイド・プリパスタラス(原題) / Hong Kong Trilogy:Preschooled Preoccupied Preposterous』がワイド・アングル部門のドキュメンタリー・ショーケースで上映され、Q&Aイベントが行われた。

 ビールを片手に登場した監督は「こんなに大きなスクリーン見たことないよ、必ず3回は(釜山に)戻ってくる」とあいさつ。映画について「若者が大きな山である中国を動かす姿があるんだ。とても“個人的”で“政治的”で“ポエティック”な作品、つまりP・P・Pってことさ、今夜一緒に分かち合おう!」とほろ酔い口調で叫んだ。

 本作は、フェイクドキュメンタリーのスタイルで、香港住民を「子供たち」「若者たち」「高齢者たち」の3つのパートで描いている。架空の世界の中に、住民のインタビューと香港のリアルな社会問題を巧みに組み込みながら、各世代が交差していく。

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 キャスティングや撮影の仕方についてプロデューサーのジェニー・スエンは「この映画に登場しているのは俳優ではなく、わたしたちがインタビューしたさまざまな世代や社会の一般市民です。彼らを見ることで香港のリアルを理解できるはずです」と答えた。

 すでに質問を受けることに飽きた様子の監督は、「映画っていうのは感じるもんだよ、質問や答えを翻訳しなくてもイメージやアイデアを感じるんだ、僕と君とでね。このスペシャルな場所で感じたことをシェアする、香港のリアルをね」と熱く語り始め、「映画に登場している人々は演技なんかしていない、彼らのリアルな生活が映っているんだ。エネルギーをお互いにシェアするだけ、それがロックさ」と言い放つと会場から大歓声が起こった。

 続けて「住民たちの何げない日常に動きを見つけ、われわれが映画を作る、もし映画を作りたいなら、ノイズを感じとることさ、よく聞くことだ。そしてこれはシネマじゃない、動いて(move)いるもの、つまりムービー(movie)なんだ」と言い終わると、会場はロックコンサートのような大歓声が起こり、詩的な映画に込められた監督のロックな姿勢が会場に伝わったようだ。(取材・文:芳井塔子)

第20回釜山国際映画祭は、今月10日まで開催

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