「あまちゃん」の天才三毛猫と共演!イッセー尾形、名女優との出会いを明かす
名優・イッセー尾形が9年ぶりに主演を務め、定年退職した偏屈な元校長という役どころに挑戦した映画『先生と迷い猫』。イッセーが本作で共演した、三毛猫ドロップとのあうんの呼吸の演技や、若手ナンバーワン実力派俳優・染谷将太の魅力について語った。
本作は、ある日、多くの人にかわいがられていた三毛猫が姿を消したことをきっかけに、猫が人と人をつなぐというハートウォーミングな物語。もともと猫は好きでも嫌いでもなかったというイッセー。「今回この作品のオファーが来た当初は、猫との共演には多少の不安もありました。ただ、映画『60歳のラブレター』でもご一緒させていただいた深川栄洋監督は、役者の能力を最大限に引き出してくれるとてもステキな方なので、ぜひまた一緒に仕事をしたいと思っていましたし、猫との共演もとっかかりさえつかめれば必ずやれると確信していました」と当時の胸中を明かす。
ところがNHK連続テレビ小説「あまちゃん」や、人気バラエティー番組「ヨルタモリ」などにも出演した経験を持つ天才三毛猫・ドロップが、現場ではイッセーも舌を巻くほど見事な名演を披露。「まず仏壇のシーンでドロップちゃんと共演したんですが、最初から猫ではなく“役者”として対面しました。まさにあうんの呼吸でこちらの意図を汲んでくれる最高の女優さんです。僕は勝手にお互いに最高の共演者だったと思っているんですが、ドロップちゃんが実際にどう思っているのかはわかりません」と笑う。
どこかユーモラスな市役所職員役の染谷との掛け合いも「お互い台本に沿って演技しているんですが、気分的には即興芝居のつもりでした。染谷君はやるべき芝居をきちんとやった上で、さらに新しい何かにチャレンジするタイプの、とてもみずみずしい芝居をする役者さんなので、共演してとても楽しかったです」とほほ笑む。
以前山本晋也監督に「君は動物と子供と共演する運命なんだよ」と言われたというイッセーは、その言葉を信じて(?)、今後もまた動物と共演してみたいと意欲を見せる。本作はそんなイッセーと、小さな名女優ドロップの演技合戦にワクワクさせられる快作となっている。(取材・文:平野敦子)
映画『先生と迷い猫』は10月10日より全国公開