「一緒に死のう」セレブに忍び寄るストーカーの恐怖…本当にあった事件
もしも見知らぬ異性に、「一緒に死のう」と求婚されたら……? 今月、女優のキーラ・ナイトレイはこの言葉を、ブロードウェイデビュー作の舞台上演中に客席にいた男性から叫ばれた。彼女は身の危険とともに男性がストーカーに変わる可能性を感じ、ニューヨーク市警察に嫌がらせ行為で通報したと Page Six が報じている。ファンには、好きな芸能人を追っかけたいという心理があることだろう。しかしその行為が行き過ぎてしまったら……。昨今の海外セレブが体験したストーカー事情には、底知れない恐怖がある。
【場面写真】ある家族を見守ってきた写真屋がストーカーに変わる瞬間
キーラは、その男性に「一緒に死のう」と叫ばれただけではなかった。TMZ.comによると、劇場の2階に座っていた男性は、舞台開始数分後に彼女に向かって大声を上げ始めたという。しかし彼女は演技中なので返事をすることはない。すると男性は「5秒も返事を待つことなんてできない!」と怒鳴り、ステージ上に花を投げつけたとのこと。彼はスタッフに取り押さえられた後、精神病院に連れて行かれたという。
今回キーラにとって幸いだったのは、劇場という環境でスタッフがいたこと。もし周囲に誰もいなかったら……。そんな状況に最近陥ってしまったのが、女優のシャーリーズ・セロンだ。彼女はハリウッドの自宅でストーカーに遭遇した。現地時間4日、彼女の自宅玄関先に、花が入ったバスケットを抱えた男性が現れたとTMZ.comが報じている。玄関で「顔を見るまでここから離れない」と言い続ける男性。女性にとってはそれだけで恐怖なことだ。シャーリーズの通報により、男性は逮捕されたが、その後起訴には至らなかったという。シャーリーズは今も不安を抱えていることだろう。これまで女優の被害を挙げてきたが、ストーカー被害に遭うのは女性だけではない。
昨年には、俳優のキアヌ・リーヴスが2夜連続で自宅侵入被害を受けたことが話題になった。しかも2日目に遭遇したストーカーの女性は、身一つで彼の敷地内のプールで泳いでいたとのこと。後に、キアヌはQ&AサイトRedditで「すごく怖かった」と明かしている。さまざまなストーカー被害に悩まされているセレブたち。その中には、ストーカーのせいで心を病んでしまった人もいる。
イギリスのバンド、ジャミロクワイのボーカルであるジェイ・ケイは、今年8月、ストーカー被害により、不安神経症とうつ病、パニック発作の症状を引き起こすようになったと証言している。51歳のオーストラリア人女性は、半年間に何度もジェイのイギリスの自宅を訪れ、愛を告白し続けた。帰宅直後に呼び鈴を押し、飼い犬の名前まで知っている彼女に、ジェイは恐怖を感じるようになったという。ジェイは女性に対して、接近禁止令を取得した。
ストーカーに対しては接近禁止令を得ることが、自衛の手段だとアメリカでは認識されている。しかし、接近禁止令を得ても、相手が精神病院に入院しても、ミラ・クニスのストーカーのようにそこから脱走する可能性もあるという。ストーカーの行為により、被害者は心の傷を負う。自衛手段を取るにこしたことはないが、まずは「ストーカー、ダメ。絶対」。(編集部・井本早紀)