水谷豊の娘・趣里、両親から影響「小さい頃から俳優の姿勢見てた」
水谷豊と伊藤蘭を両親に持つ女優の趣里が13日、都内で行われた主演映画『東京の日』完成披露試写会に佐々木大介、渡辺真起子、香川京子、池田千尋監督と登壇した。水谷と伊藤から演技に口を出されたことは1回もなく、「好きなようにやれ」と言われているという趣里。表現者の手本でもある両親から得る刺激は大きいようで「小さい頃から俳優としての姿勢を見ていたし、日々の生活でも影響を受けます」と笑顔を見せるなど、親子間の強い信頼関係をうかがわせた。
本作は、全財産をスーツケースに詰めて上京してきたワケありの女・アカリ(趣里)と何を考えているかわからない優柔不断な男・本田(佐々木)が、東京の片隅で偶然に出会い、共に生活を送る中で、人を愛することの意味を見つけていくラブストーリー。
女性陣への「本田のような優柔不断な男をどう思うか」という質問に、趣里と渡辺は「嫌です」と即答し、観客を笑わせた。一方、本田を演じた佐々木は、撮影中の現場が「つらかった」と苦笑い。気持ちがはっきりしないキャラクターを演じることで、いろんな女性から責められるという、肩身の狭い思いをしたようだ。
池田監督は「この人に演じてもらいたい」という出演者を先に決め、脚本執筆を当て書きで進めたという。作中で趣里が「なごり雪」を歌う場面については、美しい歌声を褒められ、「どうしよう、やめてください」と恥ずかしがる一幕も。プライベートでカラオケに行くことはあまりないという趣里は、役づくりのために監督と何度か行ったそうだ。
大ベテランの香川は「今は大きな夢を持ちたいと思っても、難しい世の中で大変。この映画は、主人公が少しずつ変わっていく、希望が持てる作品。若い人たちが希望を持って生きられるように願っています」としみじみメッセージを送り、趣里は「東京を舞台に、面白い視点で描かれている映画。観たら、きっと背中を押してくれるんじゃないかなと思います」と見どころを語っていた。(取材・文:百佐保里)
映画『東京の日』は10月31日より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開