役のイメージが付くことは俳優の宿命? 藤原竜也と小澤征悦が本音を語る
伝説の未確認生物(UMA)“ヤーガ”を探し求め、秘境を探検するテレビ番組のロケに挑む人々の姿を描く映画『探検隊の栄光』で共演を果たした藤原竜也と小澤征悦が、「あまりにも過酷だった」という撮影秘話を明かすとともに、俳優として役のイメージが付いてしまうことについての本音を語った。
本作は、藤原ふんする落ち目の俳優・杉崎が、伝説の未確認生物を探すテレビ番組で、探検隊の隊長となって秘境のジャングルを探索する冒険コメディー。日本各地の「ジャングルっぽいとこ」でロケを敢行したという藤原は、「豪雨で足場の悪い場所とか、雨水が垂れてくる洞窟とか、劣悪な環境でリアルタイムに冒険させられて大変でした」と苦笑する。
そんな過酷な状況で「トカゲを食べたり、沼でワニと戦ったり」と体を張って撮影に挑んだ藤原だが、「いま振り返れば楽しい思い出です」と満足げな表情を浮かべる。共演したユースケ・サンタマリア(いい加減なプロデューサー・井坂役)や小澤(大ざっぱなディレクター・瀬川役)とは旧知の仲で、一緒にロケをすることが本当に楽しかったようだ。
一方の小澤も「今回は俳優のバランスがすごく良かった。いい化学反応が起こせたと思う」とご満悦の様子。硬派で渋い役が多い小澤だが、本作では「真面目なようで、どこかズレている男」をユーモラスに演じている。「自分に硬いイメージがあることはわかっているんです。顔もこんなだし(笑)。生真面目な人だと思われがちなんですけど、本当は違うんです。いろんな役を演じて、硬派なイメージを壊していきたいと思っています」とチャーミングな笑顔で打ち明ける。
そんな小澤のように、俳優には役柄のイメージが付き物。本作の主人公・杉崎もドラマで演じた熱血漢のイメージを拭えずに嘆いている。藤原自身も以前、テレビ番組で「クズの役しかこなくなった」と笑いながら話していたこともあったが、「最近似たような役が多いと言われることもありますが、そういう時期があってもいいかって冷静に捉えていますし、イメージを持ってもらうこと自体も結構だと思う」ときっぱり。「ただ、本当は違う自分がいて、新しいことをやっていこうと強く思っているときもあります」と心中を明かした。
とはいえ、出演作を選ぶ際の決め手となるのは、自分のイメージよりも「作品の魅力」だと言い切る二人。次はどんなキャラクターを演じてくれるのか、期待せずにはいられない。(取材・文:斉藤由紀子)
映画『探検隊の栄光』は10月16日(金)より全国公開