数十億人の中国人レズビアンが誕生?ケイト・ブランシェット主演『キャロル』の威力
現地時間14日、第59回ロンドン映画祭で『キャロル(原題)』の上映に先立ち、出演のケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、トッド・ヘインズ監督らが会見を行った。1950年代のアメリカを舞台に女性同士の愛を描く本作は、ケイトをよりゴージャスに、ルーニーをより可憐に見せるサンディ・パウエル担当の衣装をはじめ、女性の美しさが堪能できる作品だ。
ケイト・ブランシェットの美しいドレス姿!第59回ロンドン映画祭フォトギャラリー
同性愛が認められていない国にさえインパクトを与えたというプロデューサーの言葉に加え、へインズ監督は「中国の女性から、中国ではケイトとルーニーの予告編を観ただけで、女性はすぐにレズビアンになりたいと思うと言われたよ」とコメント。「数十億の新しい中国人レズビアンの誕生だ! 素晴らしい!」と続けて会場を盛り上げた。
女優陣のケミストリーが話題に上がった際には、ケイトがルーニーに「スウィートハート」と呼び掛けて発言を促し、優しくリードするという、劇中の関係そのままの場面も。ルーニーが「ケミストリーは実生活同様、出そうと思って出るものではない。ラッキーなことに、ケイトに対してケミストリーを感じるのは難しいことではなかったわ」と答えるとケイトも即同意。お互いに魅了し合ったようだ。
二人の想い合う気持ちからそれぞれの生活での苦しみまで、ひしひしと伝わってくる本作の秘密はカメラワークにもあった。ケイトは「とても有効だと思ったのは、カメラが本当に上手く主観になったり客観になったりすること。映画を観ている人は、誰の目から見ているのか、それぞれのショットで何が明かされていくのか、はっきりとわかる」と解説していた。
今年のロンドン映画祭には主演作『トゥルース(原題) / Truth』も出品されていたケイトは、同映画祭で映画・テレビ文化への多大な貢献をたたえる英国映画協会のフェローシップを授与された。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
映画『キャロル(原題)』は2016年新春、全国公開