西内まりや、恋愛に臆病な女性をリアルに体験した辛さ明かす
人気作家・有川浩の小説が原作の映画『レインツリーの国』で、感音性難聴になってから自分の殻に閉じこもるヒロイン・ひとみを演じた西内まりやが、映画初出演となる本作への思いや仕事への情熱を語った。
「ずっと辛かった…」西内まりやが挑んだ映画『レインツリーの国』場面写真
インタビュー中、西内はふと「撮影中は、ずっと辛かったです」とつぶやいた。ひとみの人生を自分も生きようとしたことで、彼女が抱える悩みや葛藤をリアルに体験してしまったようだ。「ひとみは二年前に滑落事故に遭い、感音性難聴になりました。聞こえていた時期があるし、体調や環境によって聞こえ方に波があるから、すごく複雑で辛いと思うんです。だから、自分は普通の女の子のような恋愛はできないと自分の殻に閉じこもっているんです」とキャラクターを分析する。
そんなひとみに影響を与えるのが、玉森裕太が演じる、自分の気持ちをはっきりと言葉にする伸。正反対の二人が出会い、傷つけ合いながらも惹かれ合っていく過程が、温かくさわやかに描かれる。「ひとみは伸さんから『会いたい』と言われて悩んだ末に会いに行く。伸さんに惹かれるけれど、会ってみたらやっぱりうまくいかなくて、会わなければよかったと思うけど、普通の女の子として過ごせた時間が嬉しくて……。でも、ひとみの複雑な気持ちがわかるし、切ないし。撮影中はずっと戦っていました」。一方で、そんな苦悩を経て演じることへの欲がますます強くなったといい「もし機会があれば主演にも挑戦したい」と瞳を輝かせる。
今年は雑誌「セブンティーン」の専属モデルを卒業し、10月にはシングルをリリース。さらに「10代の女子がなりたい顔の20歳以下の女優ランキング」(2013年11月・gooランキング)1位に選ばれるなど、絶大な人気を誇る西内。しかし本人は「うまくいっているときこそ、これが続くかどうかの戦いだと思っています」と冷静に語る。「こうしていろいろとやっていてもちゃんと結果を残さないと続かないし、この世界に『絶対大丈夫』という保証はない。そういう不安を楽しみながら、常に2年後、3年後の自分のイメージを目標にしながら過ごしています」。女優・西内まりやの戦いは、まだ始まったばかりだ。(取材・文:須永貴子)
映画『レインツリーの国』は11月21日より全国公開