ブラッドリー・クーパーが語る横柄な一流レストランシェフ役とは?
映画『アメリカン・スナイパー』のブラッドリー・クーパーが、新作『バーント(原題) / Burnt』についてシエナ・ミラーと共に語った。
本作は、ドラッグと横柄な態度で自身のキャリアを台無しにしてしまった元一流レストランのシェフ、アダム(ブラッドリー)が、新天地ロンドンでミシュランの三つ星レストランを目指して再起を図っていくドラマ。シエナは同僚のシェフ、ヘレーンを演じ、映画『8月の家族たち』のジョン・ウェルズがメガホンを取った。
シエナは、実際に訪れたミシュランガイドのレストランで「例えば、5人の客がそれぞれ違ったメインディッシュをオーダーして、そのメインディッシュが出来上がってこれから配膳という時に、その5人の客のうち1人が席を立ってトイレに行き2分以上戻ってこなかったりすると、5人のメインディッシュ全てが捨てられて、もう一度一から作り直さなければいけないことを聞いて驚いたわ」と明かした。
ブラッドリーは、レストランでかんしゃくを起こす人や変な行動をする人を目撃したことはあるか、との質問に「最近はないが、学生時代にシーフードレストランでバイトをしていて、クラブケーキの中身を準備していたとき、ある男性客がキッチンに入ってきて、『クラブケーキの中に何が入っているのか』とわざわざ聞いてきた。彼は、わざと僕に、入っている具材をできる限り説明させ、本来ならカニ肉、パン粉、牛乳、マヨネーズ、卵、タマネギであるところ、それ以外の材料が入っていたら、僕に邪道であることを伝えようとしている意図がわかったんだ。だから、あえて何も答えてやらなかったよ!」と振り返った。
主人公アダムとの共通点とリサーチについて、ブラッドリーは「かなり多くのリサーチを行った。シェフだけでなく、レストラン関係に携わるあらゆる人たちと話をした。この主人公に共感が持てるのは、目標を持って、それを目指して行動し、何が何でも最善を尽くそうとするところだが、これまで僕が演じたキャラクターの中でも、最も僕とかけ離れた役だった気がする。なぜなら、この主人公は仕事の楽しみを失ってしまい、ほとんどそんな状態にあるんだ。だが、シエナ演じるヘレーンが料理をすることの楽しさを彼に取り戻させてくれる」と説明した。
映画は、秒単位で的確な調理法にこだわり真剣勝負するシェフの意気込みが、映画から十分伝わってくる緊張感あふれたドラマ作品。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)