カンヌのコンペ初出品でグランプリの快挙!『サウルの息子』来年1月公開
今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門初出品にしてグランプリを獲得した映画『サウルの息子』が、来年1月23日に日本公開されることが決定した。
1944年、ナチスによる虐殺の舞台・アウシュビッツ収容所。ハンガリー系ユダヤ人のサウルは、ゾンダーコマンド(同胞であるユダヤ人の屍体処理に従事する部隊)として働いている。ある日、サウルはガス室で生き残った息子とおぼしき少年を発見し、彼の死を目の当たりにする。サウルは、ユダヤ教の教義にのっとった埋葬をするためにラビ(ユダヤ教の聖職者)を捜すのだが……。
「若い世代に戦争の歴史を語ることが大切と考え、彼らに届くように」と作品について語るネメシュ・ラースロー監督は、映画『ニーチェの馬』で知られる名匠タル・ベーラのもとで助監督を務めてきた気鋭。本作は、主人公のサウルだけにピントを合わせた独特の撮影方法を用いて、観客の想像力を喚起させる工夫がなされている。
アウシュビッツで親族を亡くしているというネメシュ監督は「本作のアイデアは、第2次世界大戦末期にドイツ軍が結成した部隊ゾンダーコマンドによって書かれた資料を読んだことから始まりました」と製作に至るまでの経緯を明かした。主人公サウルは、ハンガリー映画の主演を務めた経験のあるルーリグ・ゲーザが演じた。(編集部・那須本康)
映画『サウルの息子』は2016年1月23日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国公開