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BBCの新ドラマがすごい!激しい男性同士のベッドシーン、ボンデージグッズ…スパイドラマの枠組みを変える

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スパイドラマの枠組みを大きく変える「ロンドン・スパイ(原題)」 - 画像は BBC Two Twitter のスクリーンショット
スパイドラマの枠組みを大きく変える「ロンドン・スパイ(原題)」 - 画像は BBC Two Twitter のスクリーンショット

 イギリスで現地時間9日から放映開始となったBBCの新ドラマ「ロンドン・スパイ(原題) / London Spy」が話題を呼んでいる。主演が『007 スペクター』のベン・ウィショーなら、脇を固めるのも『アイリス』のジム・ブロードベント、『スイミング・プール』のシャーロット・ランプリングなど豪華キャストの本作は、スパイドラマの枠組みを大きく変えるものになりそうだ。

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 映画化もされたデビュー小説「チャイルド44」で一躍人気作家となったトム・ロブ・スミスによる脚本は、ギャレス・ウィリアムズさんの変死事件にインスパイアされた部分と、ゲイであるトム自身の体験を基にした部分があるという。1979年生まれのトムは、自身のセクシュアリティーを意識した頃、エイズが猛威を振るったことで、性と死を結び付けて考えるようになったと明かしている。

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 ウィリアムズさんの変死事件とは、2010年8月、彼がロンドンの自宅アパートで遺体となって発見されたもの。ウィリアムズさんは風呂場に置かれた南京錠のかかったスポーツバッグに、全裸で鍵と共に納まっていた。彼が政府通信本部から英国秘密情報部MI6に出向中であったことに加え、ボンデージウェブサイトを訪れた形跡があったことなどからさまざまな憶測が飛んだが、いまだに謎は解けていない。

 全5回の「ロンドン・スパイ(原題)」の初回では、主人公ダニー(ベン)の心の動きをじっくり描いた。失意のうちにあるダニーが、偶然のきっかけから、変わったところのある天才青年アレックスエドワード・ホルクロフト)と恋に落ちるさまを丹念に追う。エドワードと全裸で絡み合うベッドシーンにもチャレンジしているベンは、憂鬱(ゆううつ)で不安定、繊細なダニーとして、その個性を存分に発揮している。

 それもそのはず、早い段階で主演候補とされたベンは、途中までしか出来ていなかった脚本を読み、役を受けている。それから書かれた後半はもちろん、当初からベンが念頭にあった脚本ともいえる。イギリスではこの秋、『サフラジェット(原題) / Suffragette』『ザ・ロブスター(原題) / The Lobster』『007 スペクター』と出演作が次々公開されるなど脂の乗り切ったベンにとって、今回のダニーが新たなハマリ役となるのは当然の帰結だろう。

 ラブストーリーとしてもミステリーとしても一級だった初回だが、男性同士のベッドシーンの激しさ、画面に登場するボンデージグッズやセックストイに苦情を寄せる視聴者も出た。それに対し英国情報通信庁は、放映が大人向けの時間帯であったことと放映前に警告が出たことで問題とはしない方針。いろいろな意味で目が離せないドラマだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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