タカとユージ、実際は真逆のキャラ?吉沢亮が『あぶない刑事』舞台裏を語る
大ヒットドラマ「あぶない刑事」シリーズの完結編となる劇場版『さらば あぶない刑事』で、更正した不良グループの元リーダー役に挑んだ吉沢亮(21)。伝説の刑事コンビ、タカとユージを演じる舘ひろし(65)と柴田恭兵(64)との夢の共演を経て、「学ぶべきところが多かった」と振り返る吉沢が、その舞台裏を語った。
テレビ初放送から30年、前作の劇場版『まだまだあぶない刑事』公開から約10年、ついにシリーズのラストを迎える本作は、舘、柴田、仲村トオル、浅野温子らおなじみのメンバーに加え、タカの彼女・夏海役の菜々緒、史上最強最悪の敵・ガルシア役の吉川晃司ら新キャストも出演。定年を目前にしたタカとユージが、日本進出をもくろむ中南米マフィアを相手に壮絶な戦いを繰り広げる。
本シリーズの全盛期を知らない21歳の吉沢は、出演が決まってからじっくりと過去の作品を鑑賞したそうだが、「全く違和感がなく、20代の僕らでも楽しめる。セリフ回しがおしゃれで、アクションもかっこいい。柴田さんの躍動感とか、舘さんのバイクシーンとか……銃をぶっ放しながら手放しでバイクに乗るなんてすごい!」と声を弾ませる。
撮影現場で二人は、さらに吉沢を興奮させる。「特に柴田さんとの絡みが多かったんですが、ピリッとした緊張感とオーラがすご過ぎておっかなかった(笑)。ロケバスまで歩いてくる姿が、もうすでにかっこいいんです」とその佇まいにゾッコンの様子。一方の舘については、「かっこいい反面、すごく気さくな方だったので驚きました。クールなタカと人情派のユージ、実際はキャラクターが真逆だったんだ、という印象を強く持ちました」と述懐する。
ただ、二人のコンビネーションに関しては、劇中そのままの絶妙さだったようで、「アドリブをいろいろ楽しんでいるようでした。台本にないセリフが結構ありましたから(笑)。いつまでも二人で馬鹿やってる感じとか、60歳を過ぎてもあの身のこなし。憧れます」と目を輝かせる。
これまで「仮面ライダー」シリーズや青春もので人気を博してきた吉沢。当初は「安っぽい元ヤンキーにならないよう『陰』の部分を強調して演じたい」と意気込んでいたが、メガホンを取った村川透監督から「もっと芝居をやれ!」と厳しく指導され、「役者として全然足りていなかった」と自省。さらに、柴田の仕事に取り組む姿勢を見て価値観が変わったとも。「カメラワークや照明の当たり方も全て把握し、スタッフさんとコミュニケーションを取りながら『みんなで一つのものを作っていく』というプロ意識がすごい。今回は学ぶべきところが多かった」と真摯(しんし)に受け止めていた。(取材・文:坂田正樹)
映画『さらば あぶない刑事』は1月30日より全国公開