レア・セドゥが演じた現代的なボンドガール「ボンドと同等で独立している」
最年長ボンドガールとしてモニカ・ベルッチ(51)が出演していると話題の映画『007 スペクター』で、もう一人のボンドガールにふんしているのが、『アデル、ブルーは熱い色』でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したフランスの演技派女優レア・セドゥ(30)だ。レアが、オーディション時の失敗や自身の役柄がどのようにこれまでのボンドガールとは違うのかを語った。
レアは同作の1度目のオーディションでは失敗している。あまりの緊張に気分を落ちつけようとビールを飲んだところ、逆にビールに飲まれてしまい、セリフを忘れるという痛恨のミスを犯してしまったのだ。「悲しかった。本当にひどかったから、自分を恥じたわ。キャスティングディレクターに説明したら『問題ない。戻ってきてもいいよ』と言ってくれて、もう1回やらせてもらえたの」と苦笑いを見せる。
その後、万全の状態でサム・メンデス監督に会って見事に役をつかんだものの、「ボンドガールというのはわたしにとって“決まりきったもの”で、そのイメージが頭にあった。だからこの話をもらったときは『本当に?』と思った。わたしは“うふん”って(笑)誘惑するようなタイプではないから」と当初は戸惑いもあったと振り返ったレア。「でも話を聞いてなぜ声を掛けられたのかわかった。彼女は自分の人生を自分でコントロールしている人だったの」。
レアが演じたのは、これまでのシリーズにも登場してきた悪役ミスター・ホワイトの娘であり、ドクターの肩書きも持つ知的なマドレーヌ・スワンだ。「彼女は現代の女の子を上手く反映している。ボンドと同等だし、独立している。彼が居なくてもやっていけるの。わたしたち、現代の女性はそんな感じだと思う。独立していて、自分の生活を自分でなんとかできる」と彼女が語る通り、マドレーヌはただボンドに守られるだけなのはよしとしない、新しいタイプのボンドガールとなった。
2人のボンドガールで新たな女性のあり方を提示することになった本作について「モニカをキャスティングしたのは素晴らしい選択だったと思う。製作陣は示したの。50歳になっても依然として魅力的でいられるって」と切り出したレアは、「そして、わたしをキャスティングしたのもいい選択だったと思う(笑)。わたしはわたしの世代の女の子を体現していると思うから」といたずらっぽい笑顔で付け加えていた。(編集部・市川遥)
映画『007 スペクター』は11月27、28、29日に先行公開 12月4日よりTOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開