世界初の性別適合手術を受けた女性を描く伝記映画、アカデミー賞前哨戦で7部門ノミネート
『博士と彼女のセオリー』(2014)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したエディ・レッドメインが、世界初の性別適合手術を受けたデンマーク人画家リリー・エルベを演じる伝記映画『リリーのすべて』が、アカデミー賞の前哨戦といわれる第20回サテライト賞主要を含む7部門にノミネートされた。
【写真】エディ・レッドメイン、ベネチア国際映画祭フォトコール
本作では『英国王のスピーチ』(2010)でアカデミー賞監督賞を獲得したトム・フーパー監督とエディが『レ・ミゼラブル』(2012)に続いてタッグを組んでおり、サテライト賞でそれぞれ監督賞、主演男優賞にそろってノミネート。また、主人公リリーの妻ゲルダにふんしたスウェーデン人女優アリシア・ヴィキャンデルも助演女優賞候補に。アリシアは、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(2012)や、『コードネーム U.N.C.L.E.』(2015)などで近年、目覚ましい活躍を見せる注目株だ。そのほか、脚色賞、美術賞、衣装デザイン賞、作曲賞の候補にも挙がっている。
2015年ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、女性の姿になったエディのビジュアルが大いに話題を呼んだ本作。エディが車椅子の物理学者を演じた『博士と彼女のセオリー』のように、いわゆる“実話もの”がアカデミー賞のノミネート入り&受賞を果たすケースが非常に顕著であることからも、前回主演男優賞を受賞したばかりのエディを含め、本作が第88回アカデミー賞の賞レースに食い込む可能性が有力視される。(編集部・石井百合子)
映画『リリーのすべて』は2016年3月18日より全国公開