独裁者の孫、身分を偽るためにダンスレッスン…『独裁者と小さな孫』本編映像
老いた独裁者と幼い孫による逃亡劇を描いた映画『独裁者と小さな孫』から本編映像が公開され、主人公の孫にふんした子役、ダチ・オルウェラシュヴィリの愛くるしい姿が披露された。
ある国の独裁者として君臨するもクーデターによって追われる身となった男が、幼い孫を連れて逃亡した果てにたどる運命を描いた本作。今回公開されたのは、身を休めるために逃げ込んだ小屋で、老いた男が孫に身分を偽り旅芸人にふんするよう、ダンスを教え込むシーンだ。
祖父の奏でる悲しげなメロディーに合わせ、踊り続ける孫。たんたんと語る祖父に、踊り疲れた孫は「このゲームもう飽きてきた」と素直な気持ちをぶつける。哀愁たっぷりな雰囲気の中、子供らしさがあふれるその発言に思わず心が和む。
メガホンを取ったのは、『カンダハール』『パンと植木鉢』などで知られるイランの巨匠モフセン・マフマルバフ。監督が平和への願いを込め描いた現代の寓話ともいえる本作は、人間愛とユーモアにあふれながらも、衝撃の結末を迎える。ベネチア国際映画祭やシカゴ国際映画祭など、各国の映画祭で称賛された。(編集部・石神恵美子)
映画『独裁者と小さな孫』は12月12日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開