唐沢寿明が海外撮影で改めて気づいた、日本人のあるべき姿とは?
唐沢寿明が、6,000人のユダヤ人を救った日本人外交官・杉原千畝の半生を描いた映画『杉原千畝 スギハラチウネ』の主役を演じたことで、日本人としての自覚を新たにしたと語った。
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杉原は激動の時代、領事代理として赴任したリトアニアで、日本政府の命に背いて「命のビザ」を発行した実在の人物。リトアニアの隣国・ポーランドで行なわれた、ハリウッドと日本を交えた混成チームでの2か月に及ぶ今作の撮影は、「各国語が飛び交うから集中が必要だったし、体力温存も考えないといけなかった」と、日本とは一味違うものだったことを唐沢は告白した。
英語のセリフも多く、決して簡単なチャレンジではなかったはずだが、「日常会話で使わない単語がたくさんあったり、夜中になるとろれつが回らなくなったりはしましたが、そこまで問題ではなかったですよ。現場で頻繁にセリフが変わったのには苦労しましたけどね」と、サラリと口にした。それよりも、日本人としての自分を意識させられたことのほうが印象深かったようだ。
「たとえば、僕の食べ方が変だったら『日本人の食べ方は汚い』、僕がセリフでアワアワしていたら『日本の俳優はこの程度か』って思われてしまう」と、改めて国際社会の中での立場を自覚した様子。「他の社会から見たら自分たちも外国人だと理解したら、もう少し人に優しくなれると思う」と、自分たちが世界の中の一部だという意識を持つことの重要性を語った。
自分や家族の命の危険もある中、人命救出に尽力した杉原を筆頭に、工業やファッション、食材など多岐に亘って、日本には世界に誇りうる人材や文化が多く存在する。「日本人だというプライドをしっかり持って、でも決しておごり高ぶることなく、恥ずかしくないようにしっかりやらないといけないと思いました」と、唐沢は強い決意を見せた。彼のこれからの活躍は、国際社会が舞台になるのかもしれない。(取材・文:早川あゆみ)
映画『杉原千畝 スギハラチウネ』は12月5日より全国東宝系にて公開