伝説のヒップホップグループN.W.A.をAK-69とDS455が語る!
人気ラッパーのAK-69とDS455(DJ PMX、Kayzabro)が4日、渋谷の Social Club Tokyo で行われた『ストレイト・アウタ・コンプトン』公開記念イベント「STRAIGHT OUTTA SHIBUYA NIGHT」に来場し、N.W.A.のメンバーに多大なる影響を受けたという彼らならではの目線で同作の魅力を語った。
アイス・キューブ、ドクター・ドレーらを輩出した伝説のヒップホップグループN.W.A.は、1986年にアメリカ、カリフォルニア州コンプトンで結成。アメリカで屈指の危険地帯とされるコンプトンで、黒人差別など理不尽な社会にラップという表現手段で立ち向かい、若者たちから熱狂的な支持を集めた。そして黒人差別をする警察暴力への反対運動を爆発的に加速させ、社会現象にまで発展。果てはロサンゼルス暴動の渦中に置かれ、警察、連邦捜査局(FBI)からも目をつけられる「世界で最も危険なグループ」へと成り上がった。
そんな彼らの成功への道のりと挫折、名声の代償、権力と偏見とのたたかい、裏切り、そして友との別れといった知られざる物語を描きだした本作を観たAK-69は「映画の開始早々から、自分がラップを始めたときの初期衝動を思い出して熱くなりました」と力強くコメント。DJ PMX も「映画のスタートが1988年からスタートするけど、ちょうどヒップホップをやろうと思って上京しようとしていた頃。あの時の空気感が懐かしくてよかったです。当時のファッションもそうですが、DJ用の機材やサンプラーというものも再現されているので、その辺も観てもらいたいですね」と付け加えた。
さらにKayzabroは「俺らはリアルタイムで体験した世代。自分たちがあこがれていた世界が映像化されていた。N.W.A.に降りかかった事件は、ところどころは知っていたけれど、映画ではそれが時系列に並んでいて、一つの流れとして知ることができた。それが興味深かったですね。それぞれの役者もよく似ているし」と満足げな表情を見せ、「俺らはギャングスタラップ、不良の文化なんかにもあこがれていたけど、実はものすごく音楽的に質の高いグループだったんだと思いましたね」と語った。そしてその後は両アーティストが熱いライブパフォーマンスを披露し、会場を熱気に包み込んだ。(取材・文:壬生智裕)
映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』は12月19日より渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国順次公開