綾野剛、日本一の悪に!10キロ増減で挑む『凶悪』白石和彌監督の新作『日本で一番悪い奴ら』
俳優の綾野剛が、日本警察史上最大の不祥事と呼ばれる「稲葉事件」をモチーフにした映画『日本で一番悪い奴ら』(来年6日25日公開)で主演を務め、「黒い警部」という異名を持つ実在の男性をモデルにした北海道警察の警部を演じることが明らかになった。脚本にほれ込んだ綾野は、クランクインからクランクアップまで体重を10キロ増減させ、柔道練習にも取り組んで役づくりに励んだという。
『凶悪』で国内の映画賞を総なめにした白石和彌監督がメガホンを取った本作は、2002年7月に北海道警察の生活安全特別捜査隊班長・稲葉圭昭警部が、覚せい剤取締法違反と銃砲刀剣類所持等取締法違反で逮捕、有罪判決を受け、その公判で北海道警察によるやらせ捜査や銃刀法違反偽証などの不祥事が表沙汰になり、北海道警裏金事件発覚のきっかけにもなった「稲葉事件」を基に、警部(綾野)が逮捕されるまでの26年間を活写する。撮影は6月初旬~7月上旬に行われ、完成は来年2月の予定。
圧倒的な内容に「何を犠牲にしても出演するべき作品」とオファーから3日で出演を快諾した綾野は、初タッグを組む白石監督に対して「白石和彌監督との出会い、撮影現場、過ごした時間は、私の役者人生に無二の影響を与えて頂きました」と感謝しきり。「この作品は、私が来年出演する映画でも、もっとも衝撃で愚かで愛おしい、何物にも変えがたい問答無用の最狂最愛物語です。皆様、どうか、一人の男の人生を目撃ください」と熱い思いを語った。
また、「この映画を撮らずに、次のステージには進めない」と再び『凶悪』のプロデューサーチームとタッグを組んだ白石監督は、「綾野剛という稀代の映画俳優と共に粉骨砕身して取り組みました。一人の人間の半生を描くことが、これほどまでに困難で苦しく、そして極上の輝きを持つものかと驚嘆しています。それもこれも全ては綾野剛!」とその役者魂を大絶賛。正義だと信じて疑わず、どんどん悪に染まっていく狂気に満ちた役柄を怪演した綾野への絶大な信頼をのぞかせている。
本作では、綾野ふんする警部と、「S(スパイ)」と呼ばれるチンピラをはじめとした捜査協力者たちとのバディ要素もあるという。果たして“日本で一番悪い奴ら”を待ち受ける運命とは? 『凶悪』で実在の事件を見事に映画化し、観客を震え上がらせた白石監督の新たな一作に注目だ。(編集部・吉田唯)
映画『日本で一番悪い奴ら』は2016年6月25日より全国公開