全米で6館の限定公開にして大ヒット!『ブレードランナー』続編監督の新作予告編公開
第83回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『灼熱の魂』(2010)、ヒュー・ジャックマン主演作『プリズナーズ』(2013)などで注目されるカナダ人監督ドゥニ・ヴィルヌーヴの最新作『ボーダーライン』の予告編が公開。全米で6館での限定公開ながら25位に初登場し、1館あたりの興行収入が6万6,881ドル(約802万5,720円)の大ヒットを記録した本作の予告編が公開となった(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル120円計算)。
『渦』(2000)以来、10年ぶりの監督作『灼熱の魂』がアカデミー賞ノミネートの快挙を成し遂げて以来、ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール、ポール・ダノら実力派のスター俳優たちと組んで秀作を放ってきたヴィルヌーヴ監督。先ごろ『ブレードランナー』続編の監督に抜擢され、オスカー獲得の可能性を高めつつある彼の新作は、アメリカとメキシコの国境で起こる麻薬戦争の闇を描くサスペンスアクション。麻薬と汚職でまみれた無法地帯、メキシコ国境の町フアレスを舞台に、重要参考人輸送の任務に赴いた麻薬捜査特別チームのFBI捜査官ケイト(エミリー・ブラント)の視点を通し、衝撃的な事実が明かされていく。本作は『Sicario』のタイトルで今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。
予告編映像で映し出されるのは、生と死の隣り合わせの最前線の現場を目の当たりにする一方で、作戦の全貌をつかめず、やがて捜査の目的に疑問を抱くようになるケイトの恐怖、焦燥。トム・クルーズと共演したアクション『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)と同様、女性らしさを封印したヒロインを熱演するブラント、ケイトと行動を共にする謎のコロンビア人を退廃的なムードを漂わせて怪演するベニチオ・デル・トロ、捜査チームのリーダーをひょうひょうと演じるジョシュ・ブローリン。近年、人気急上昇の美貌の女優ブラントと、変幻自在な2人の名優との絶妙なアンサンブルに引き込まれる。
「こんなの麻薬捜査じゃない」「全て暴露してやるわ」というケイトがつかんだ事実とは一体何なのか……? 善悪を超越したグレーゾーンの世界への好奇心を掻き立てる予告編となっている。(編集部・石井百合子)
映画『ボーダーライン』は2016年4月9日より角川シネマ有楽町ほか全国公開