70歳でカミングアウト トランスジェンダーを描くゴールデン・グローブ賞作品賞ドラマ
第72回ゴールデン・グローブ賞のコメディー/ミュージカル部門で作品賞に輝いた注目のテレビシリーズ「トランスペアレント」について、女優ギャビー・ホフマンとジュディス・ライトが語った。
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本作は、トランスジェンダーであることをカミングアウトした70歳の主人公モートン(改名後はモーラ)・フェファーマン(ジェフリー・タンバー)と、別れた妻と3人の成人した子供たちを描いたドラマ。ジュディスは、モートンの元妻シェリー、ギャビーは3人の子供のうちの1人、アリを演じている。映画『午後3時の女たち』のジル・ソロウェイがクリエイター兼製作を務めたアマゾン初のオリジナルドラマ。
今シーズンで第2シーズンを迎えるが、前シーズンとの違いについて、ジュディスは「今シーズンでは、私が演じるシェリーだけでなく、他のキャラクターもそれぞれ掘り下げて描かれていることで、視聴者もキャラクターをより理解できる設定になっている。さらに、フェファーマン家の過去にも回帰しているわ。モートンが、前シーズンで『真の自分自身になる』と宣言してから、その後、モートンが(モーラとして)どういう人物になっていくか、家族がいかに心理的な状況の変化に対応していくかも描かれている」と説明した。
一方、アリについて、ギャビーは「彼女は前シーズンと同様に、まだ仕事が見つかっていない状態だけれど、長い間の意気消沈した状態から抜け出し、モートンがトランスジェンダーであることをカミングアウトしたことで、彼女自身も何か揺り起こされたように目覚め、今シーズンでは自分探しをすることになるの。そして、フェファーマン家の娘としての家族との関係、過去の自分、さらにユダヤ教などを通して、自分自身が何であるかに興味を持っていくわ。それは、性的な面でも知的な面でもそうなの」と明かした。
ゴールデン・グローブ賞を含め、なぜこれほど高い評価を受けたのか、との質問に「今作では、キャラクターそれぞれが、人生で間違った選択をしたりするけれど、それを描く価値があるのだと思う。そしてトランスジェンンダーの人にもしっかりと目を向けている。誰もが複雑な部分と、優しさやもろい部分を持っていて、どのキャラクターも完璧ではないの。そこに、多くの視聴者が共通点を感じてくれているのだと思う」とギャビーは答えた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)