吉永小百合と二宮和也は恋人に見える母子
山田洋次監督の映画『母と暮せば』の撮影現場で、恋人に見えてしまうほど仲良しになっていたという吉永小百合と二宮和也。母子を演じた二人が撮影中のエピソードを、山田監督は二人の仲の良さがこの映画に与えた影響について語っている。
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本作は終戦後の長崎を舞台に、原爆で死んでしまったはずの息子・浩二(二宮)が、助産師をしながら一人で暮らす母親・伸子(吉永)の前に現れ、楽しかった思い出話や浩二が残していった恋人の話をして過ごす日々を描いた、山田監督初のファンタジー作品。
吉永と二宮は今回が初共演。さらに山田組初参加となった二宮だったが、すぐにペースをつかみ、現場にとけ込んでいくことができたそうだ。2か月に及ぶ撮影で、日本を代表する女優の吉永ともすっかり仲良くなり、クランクアップの会見時にはお互いをファーストネームで呼び合っていたことを明かしている。
そんな二宮について吉永は、「はじめて会った時から本当に自分の息子じゃないかと思うぐらい寄り添って演じることができました。本当に素晴らしい存在で私は引っ張ってもらっていました。かわいい息子です」とすっかり気に入った様子。一方の二宮も「吉永さんに小さい頃の写真を見せてほしいといわれ、僕も久しぶりに自分の昔の写真を見直したんです。そのことで実際には共有していない思い出が想像できました」と撮影中の出来事を振り返った。
二人の掛け合いに現場でも笑顔がこぼれたという山田監督は「吉永さんと二宮さんの二人は時として恋人に見えるような甘さがあって」と二人を評し、そのおかげで「独特の母子の物語になっている」と見どころを明かした。山田監督ならではの演出で、二人のクスッと笑える会話から、互いの気持ちがぶつかり合うやり取りまでが、平和への願いが込められたこの映画で観ることができる。(編集部・海江田宗)
映画『母と暮せば』は12月12日より全国公開