懐かしの“東京映画”36本を一挙上映!キネ旬の名物コラムとコラボ
映画雑誌「キネマ旬報」で連載中の、イラストレーター、宮崎祐治氏による人気コラム「東京映画地図」で取り上げられた名画を上映する特集企画が今年12月20日から来年2月20日まで、ラピュタ阿佐ヶ谷で実施される。
2011年より連載開始されたコラム「東京映画地図」は、映画に登場する「東京」のロケ地をエリアごとに取り上げ、緻密な地図と温もりあふれる映画俳優&女優たちのイラストを交えて考察する名物企画。特集上映では、このコーナーの中から厳選した36本の名作を上映する。
オープニングを飾るのは、銀座、隅田川、そして今はなき跳開式の勝鬨橋(かちどきばし)を見られる『東京の恋人』(1952)。今年9月に亡くなった原節子さんが名優・三船敏郎と共演した下町コメディーだ。そのほか、吉永小百合、高橋英樹、浜田光夫、坂本九らが浅草の街を駆け抜ける青春群像劇『ひとりぼっちの二人だが』(1962)、1960年代初頭、足立区・西新井橋を背にそびえ立つ“お化け煙突”が登場するクライム・サスペンス『東京湾』(1962)など懐かしの風景を堪能できる名画がめじろ押し。
今も変わらない“夜の社交場”赤坂・六本木近辺を舞台にしたビターな作品群も必見だ。赤坂の街に生きる、性格の異なる三姉妹(淡島千景・新珠三千代・川口知子)を名匠・川島雄三が軽やかに活写した『赤坂の姉妹より 夜の肌』(1960)、当時「六本木族」と称された無軌道な若者の生態を赤裸々に描いた青春映画『うるさい妹たち』(1961)、峰岸徹&中川ゆき演じる孤独な男女が、ある秘密を隠しながらも強く惹かれ合う『六本木の夜 愛して愛して』(1963)など。50~60年にわたって変化した東京の街並みを目の当たりにする、貴重なラインナップとなっている。(編集部・石井百合子)