スピルバーグとトム・ハンクス、歴史ヲタクという共通点
来年1月に公開される映画『ブリッジ・オブ・スパイ』でタッグを組んだスティーヴン・スピルバーグ監督と名優トム・ハンクスの2人が、大の“歴史好き”という共通点を持っていることが特別映像で明らかにされた。
同作は、東西冷戦下の1960年に実際に起きた、ソ連によるアメリカ偵察機撃墜事件“U-2撃墜事件”の舞台裏に迫った作品。弁護士ジェームズ・ドノヴァン(トム)が、ソ連のスパイ、ルドルフ(マーク・ライランス)の弁護を引き受けたことで、ソ連に捕われたアメリカ人パイロットとの交換交渉の大役を任されるというもの。脚本はマット・シャルマン、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が担当している。
今回公開された映像は、スパイであるルドルフが捕まる緊迫のシーンから始まり、トムのインタビュー映像へとつながる。脚本のディテールに感服したというトムはすぐにスピルバーグに電話して「出演したい」と伝えたそうだ。一方のスピルバーグもこの物語の魅力は1950年代の典型的な普通の男であるドノヴァンが持つ“正義は皆に平等である”という信念だと話し、そのドノヴァンを演じるのはトムしか考えられなかったという。
本作は実話に基づく映画だが、プロデューサーを務めるクリスティー・マコスコ・クリーガーは「実話に基づく映画といえばスティーヴンよ」と自信をのぞかせている。そしてクリスティーがその発言と同じように自信満々に語っているのは「スティーヴンもトムもかなりの歴史好きである」ということ。この2人の意外な共通点が、作品の完成度を高めたそうだ。
ナショナル・ボード・オブ・レビューの作品トップ10をはじめ、数々の映画賞を受賞し、2016年のアカデミー賞候補との声もあがっている本作。“歴史ヲタク”を自称するスピルバーグ監督がスポットライトを当てた“普通の男”の物語は、実話であることが信じがたいほどスリリングなドラマになっている。(編集部・海江田宗)
映画『ブリッジ・オブ・スパイ』は2016年1月8日より全国公開