新『スター・ウォーズ』監督になかったアイデアを提供した人物がいた
J・J・エイブラムス監督が待望の話題作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』について語った。
同作は、オリジナル3部作の最終章『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』から約30年後を舞台に描いた、新たな3部作の第1章。『スター・トレック』シリーズのJ・J・エイブラムス監督がメガホンを取り、脚本は『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』のローレンス・カスダンが執筆。
カスダンとのタッグは「彼との仕事はスリリングで勉強になった。彼こそがハン・ソロやヨーダに素晴らしいセリフを与えた人物で、オリジナル『スター・ウォーズ』も知っている。彼とは『ジェダイの帰還』後に、あの世界に何が起きたかをお互いの観点で話し合った際に、彼は僕が考えつかなかった観点を提供してくれて、彼との共同執筆作業はまさにオリジナルシリーズの延長を書いている気がした。脚本構成といういつもの作業を、尊敬するフィルムメイカーのローレンス・カスダンと出来たことは本当に良かった」と満足げに答えた。
本作を大会社ディズニーのもと製作するプレッシャーは「正直、怖かった。ディズニーが40億ドル(約4,800億円・1ドル120円計算)以上でルーカスフィルムを買収したときに、企業的な戦略アプローチとして『スター・ウォーズ』を製作するのではないかと思ったからだ。だが、ディズニーの会長兼CEOボブ・アイガーと社長アラン・ホーンは、我々の撮りたい映画を自由に製作させてくれた。それは、ルーカスフィルムの社長キャスリーン・ケネディへの信頼があったからでもある。彼らは、僕らの脚本や編集前の映像を観てからは、僕らの作業を心地よく思ってくれていた。結局、撮影前の懸念は、撮影中も撮影後も全くなかった」と振り返った。
以前、今作は少年少女のために製作したと語っていたことについて「あれは、女性も『スター・ウォーズ』をオリジナルの頃から好きだったという意味だ。多くの玩具は少年用に作られ、少女用がまだ少ない。正直、僕は『スター・ウォーズ』の観客層はあらゆる層だと思っていて、それが重要だ。だからレイア姫やパドメ・アミダラだけが女性ではなく、平等に描かれている映画にしたかった。これまでのシリーズには素晴らしいキャラクターが登場してきたが、今作ではデイジー・リドリーが演じる主人公のキャラクターを観てほしい。女性の観客が、今作で何か違った女性像を見いだしてくれると思う」と自信をのぞかせた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)