伝説の撮影監督ハスケル・ウェクスラーさんが死去
映画『夜の大捜査線』『カッコーの巣の上で』などで撮影監督を務めたハスケル・ウェクスラーさんが、2015年12月27日(現地時間)に93歳で亡くなった。ハスケルさんの息子ジェフ・ウェクスラーがハスケルさんの公式サイトで訃報を伝えたことで明らかになった。
ハスケルさんは、父親の支援を得て自身の撮影の映画スタジオを設立したものの、経営が成り立たずスタジオを閉鎖した後、映画『影なき男』『ハッド』の撮影監督ジェームズ・ウォン・ハウのもとカメラオペレーターとして撮影技術を学んだ。その後、数多くのドキュメンタリー作品に携わった後、ミロス・フォアマン監督の『カッコーの巣の上で』、ジョン・セイルズ監督の『メイトワン-1920』、ロン・シェルトン監督の『ブレイズ』でアカデミー賞の撮影賞にノミネートされ、マイク・ニコルズ監督の『バージニア・ウルフなんかこわくない』、ハル・アシュビー監督の『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』ではアカデミー賞を受賞している。また、リベラルな活動家としても知られ、『帰郷』『夜の大捜査線』などの社会に影響を与えた多くの映画にも関わった。
さらに2004年には、ハスケルさんの息子マーク・S・ウェクスラーによって、ハスケルさんを題材に描いたドキュメンタリー『マイ・シネマトグラファー』も製作されていた。多くのフィルムメイカーに影響を与えたハスケルさんの死は惜しまれている。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)