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lecca、いじめ体験を告白 ある先輩と一冊の本が支えに

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女性レゲエ歌手のlecca
女性レゲエ歌手のlecca

 いじめによる自殺を題材にした小出恵介木村文乃共演の映画『十字架』の完成披露試写会が23日に都内で行われ、女性レゲエ歌手のleccaが本作の主題歌「その先のゴール」を披露。トークコーナーでは、歌詞に託した自身のいじめ体験を明かした。

【動画】『十字架』予告編

 本作は、重松清の同名小説を『地雷を踏んだらサヨウナラ』などで知られる五十嵐匠監督が映画化した人間ドラマ。いじめでこの世を去った少年・フジシュンの死をきっかけに、彼の両親、同級生の男女らが苦悩を抱えつつ必死に生きる20年の歳月が描かれる。この日はメガホンを取った五十嵐監督、フジシュン役の小柴亮太も出席した。

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 過去にいじめ被害で苦しんだ経験を持つというlecca。「小学生のときに引っ越しで転校したときですね。転校生ってどうしても目立つので、いろんな流れでいじめを受けるようになって。大人になった今なら、人前で話す強さもありますが、当時は小学生なので、とてもじゃないけど誰にも言えない。特に親には一番言いたくなかった。普通に学校生活を送れていない自分を見せたくなかった」と振り返る。

 そんなときに心の支えになったのが、先輩と一冊の本だったという。「一人だけ強めの先輩がいて、『そんなこと(いじめ)やめろよ!』と言ってくれて、それが心の支えになりましたね」と述懐。「あとは山田詠美さんが書かれた『風葬の教室』という小説。これは、わたしと同じように転校してきた子が、何も悪いことをしていないのに、なんとなくの空気感でいじめられていくんですが、その子は心の中で、自分をいじめる人を捕まえてお墓を作るんです。現実世界では何もやり返せないのですが、そうすることによって心が落ち着き、最後のお墓を建てたときに普段の自分に戻ることができるというお話。当時のわたしにとっては救いでしたね」と明かした。

 一方、leccaの歌声に感動した五十嵐監督は、目にうっすら涙をためながら、「重松さんの小説は、自殺した当事者だけでなく、それを見て見ぬふりをした人たちが心に深い傷を持って生きている姿も描いている。この“十字架”を降ろすことはできないけれど、足腰を強くして前向きに生きていこう、という重松ワールドに強く惹かれた」と映画化への熱い思いを語った。(取材:坂田正樹)

映画『十字架』は2月6日より有楽町スバル座ほか全国公開

小出恵介、木村文乃ら共演の人間ドラマ!映画『十字架』予告編 » 動画の詳細
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