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過疎化、震災の余波…想田和弘監督“観察映画”第6弾の初日が決定

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映画『牡蠣工場』より
映画『牡蠣工場』より - (C) Laboratory X, Inc.

 『選挙』『精神』などで知られるドキュメンタリー作家・想田和弘監督の最新作『牡蠣工場』の初日が2月20日に決定した。同作で、想田監督は岡山県瀬戸内市牛窓町の牡蠣工場にカメラを向け、過疎化、震災の余波、外国人の労働問題など現代日本に巣食う深刻な問題を浮き彫りにしていく。

 撮影前に台本を作らず、ナレーションやテロップ、BGMなどを排した独自のスタイル“観察映画”シリーズの第6弾として制作された本作。きっかけは、監督の義母の故郷である牛窓で夏季休暇を過ごすうちに、土地に魅せられていった想田監督が、一人の漁師に出会ったこと。そして、以前から「日本人は海の幸をよく食べるのに、漁師の生活は経済的に厳しく、後継者の数も減っている」ことに疑問を抱いていたことから制作を決意したという。

 撮影開始まもなく、工場に貼られたカレンダーの脇に「9日、中国くる」と書き込まれたメモを発見し、平野かき作業所を継ぐ渡邉さんが東日本大震災のため宮城からここへ移り住んだという事情を知った想田監督は撮影にのめり込み、やがて工場の人々と、中国人労働者との共同生活に肉迫していく。

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 牛窓にはかつて15から20の牡蠣工場があったが、現在残っているのはわずか6軒だという。過疎化が進み、さらに工場が減ればわれわれの暮らしにどんな影を落とすのか。確実に迫りつつある危惧、疑問を投げかける本作はロカルノ国際映画祭やナント三大陸映画祭など各国の映画祭で上映され、反響を呼んでいる。(編集部・石井百合子)

映画『牡蠣工場』は2月20日よりシアター・イメージフォーラムほかで順次公開

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