新井浩文、安田顕主演『亀岡拓次』は客が入らない匂いがプンプン
28日、安田顕が主演を務める映画『俳優 亀岡拓次』が30日から公開されるのを記念して、同作のメガホンを取った横浜聡子監督の過去作品『ジャーマン+雨』と『ウルトラミラクルラブストーリー』を一挙上映する“横浜ナイト”が都内で行われ、横浜監督と俳優の新井浩文が出席。『俳優 亀岡拓次』でオタクのVシネマ監督役で出演している新井は、「横浜監督は映画業界で評判はピカイチ」と大絶賛するも、客が入らなそうと本音もポロリと口にし、本作をアピールした。
本作は、脇役一筋の地味な俳優・亀岡拓次(安田)に訪れる突然のチャンスをユーモラスに描く異色コメディー。オファーがあればどんな役でも挑戦し、私生活では酒を楽しみとする主人公の慎ましい人生を、業界でありがちな出来事をちりばめながらつづっていく。
青森県出身で同学年の二人は、終始リラックスした雰囲気でトークを展開。新井は、横浜監督について、「とにかく映画業界の評判は、山下敦弘監督(『ぼくのおじさん』)と同じくらいピカイチ。みんな(横浜監督の作品に)出たいって言うんだよね。今回も染谷(将太)くんや、山崎(努)さん、三田(佳子)さんも出てるし」と絶賛。ところが、「ただね……山下監督のと同じように、客が入らない臭いがプンプンしてる。なんとか『俳優 亀岡拓次』を当ててほしい」とエールを贈った。
一方、新井について横浜監督は、「『GO』を観てすごい人が出てきたなと。そのあと、『ゲルマニウムの夜』のトークショーに行って、新井さんに自分の過去作品を収めたDVDを渡そうと思ったんですが渡せず、がっくりして帰った」と告白。これに対して新井も「『ジャーマン+雨』を観て、横浜監督と組んでみたいと思っていた」と相思相愛を確認するが、本作のオファーを受けて愕然としたという。
「横浜さんと仕事する時は僕が主演で、ある程度の本持ってきてね、という思いがあった。ところが来た役が『え? こんだけしか出ないの?』という感じ。電話で『考えさせてください』と言って、一旦切ったんですが、結局、出ることになった」とやや不満顔。それでも、横浜監督の演出はお気に入りのようで、「(役者が)セリフを甘ガミするの、好きですよね。『俳優 亀岡拓次』でもありましたよね。染谷くんが素ガミしたのをOKテイクにしてた。人間ってどもったり、かんだりするもので、それを生々しく使ってくれる監督は好きですね」と持ち上げていた。(取材:坂田正樹)
映画『俳優 亀岡拓次』は1月30日よりテアトル新宿ほか全国公開